2009年9月9日水曜日

英国結婚事情 その3

イングランドの田舎に住むイアン君とロズちゃん、ともに28歳、まだ若く、お金もそんなにない。ロズちゃんの両親も結構高齢、そんなカップルは豪華なホテルやホールで披露宴を行なうことはできない。自分の身の丈にあったやり方を考える。結果、彼らは「Farmhouse (農家)」の一施設を借りた。昨今、農家は農業だけで生計が立たないことが多く、空いている場所をB&B(宿泊所)や結婚披露宴、多目的パーティ用に開放し、副収入を得る。イアン君たちが選んだのは、Tilton-on-the Hill 村のHalstead House Farmという所。表通りからかなり奥に入った、静かで落ち着いたFarmhouseだった。農家といっても、かなり広大な敷地と立派な建物を所有している。

まず、Framhouseに着くと、裏庭でAperitif (食前酒)のもてなしが始まる。イギリスの夏は、Pimm's(ピムズ)というリキュールをレモネードで割り、オレンジ、レモン、グレープ、ミントなどのフルーツを入れて飲むのがポピュラー。写真で皆が手にしている、茶色の飲み物がピムズ。何故か、ストローで飲むのです。中央にいるのがロズちゃんとお父さん。


Aperitif と軽食をつまんだあと、披露宴へ。会場は、離れの納屋か倉庫を改造した所らしい。入り口にはサーフィン好きなイアン君のサーフボードに座席表が書かれていた。各テーブルはオーストラリア、ニュージーランドのビーチ名が付けられており、私たちはオーストラリアのBell's Beachのテーブルへ。


席には、新郎新婦のお母さんたちが焼いた名前入りのクッキーが置かれていた。家族や知人が一生懸命、手伝った手作り結婚式というのが感じられる。


メインコースは、この農家産直のお肉と野菜のよう。英国の伝統料理、ローストビーフとヨークシャー・プディング、そして温野菜。


ひな壇はこんな感じ。手前からブライドメイド、新郎の父、新婦の母、新郎、新婦、新婦の父、新郎の母、そしてベストマン。


招待者はおおよそ80名。司会者などはいない。まず、最初に乾杯して皆黙々と食べる、そしてしばらくして、ひな壇にいる新婦の父、新郎、そしてベストマンがスピーチを述べる。日本のように湿っぽくない。とにかく、ユーモアたっぷり、ジョーク満載で、会場がずっと笑っている。そして両家はお互いに対して、「Welcome to our family!」と言い合う。新婦が新郎の家に嫁ぐ、などという感覚は全くない。それと、日本にある、お色直しとか引き出物という習慣はない。


私たちも、よく食べて飲んだ。目の前のグラスはすごいけれど、このグラス分全部飲んだわけではありません!(苦しい言い訳・・・)

そしてケーキカットの後はダンス・タイム。


最後は新婦もこのように80年代のディスコ・ミュージックに陶酔していました。お疲れ様でした。

4 件のコメント:

サヨクマ さんのコメント...

いつも素敵なお写真、東京から惚れ惚れと眺めています。欧州ならではのゆとりというのでしょうか、そんなものが滲み出てきますね。
結婚式も温かな雰囲気が伝わってきます(ロズちゃん可愛いです)。
Welcome to our family、という言葉はいいですね。こちらも以前は「嫁」という縛りはないのかも、と思っていましたが、じわじわと、そうではないのを感じてきました・・・(笑)
では、またお便り楽しみにしています!

フェリン猫姫 さんのコメント...

サヨクマさん、コメントありがとうございます。東京から見ると、別世界のように感じるかもしれませんね。でもどこの世界も人間の住むところは同じです。
贅沢ではないけど、本当に心の温まるいい結婚式でした。イギリスも嫁姑の関係もないわけではないようですが、ロズちゃんは性格がいい子なのでイアン君の両親からとても可愛がられています。

hideyo さんのコメント...

素敵な結婚式ですね。お料理もなんだか手料理風で家庭的な感じがします。フェリンちゃんのドレスも色と生地がとても素敵ですね・・・そういえば最近ドレスというものを着る機会が全くないです。シアトル辺りではみなものすごくカジュアルなのでドレスアップとは無縁の生活になってます。やはり機会をつくってたまには着飾らないと・・・

フェリン猫姫 さんのコメント...

Hideyoさん、お返事ありがとうございます。そうですね、質素だけど心がこもった結婚式という感じでした。お料理はすごいおいしいというわけではありませんが(所詮英国料理なんです)、ローカルフードをフルに活用したという点はいいことだと思いました。ドレスアップ、私も最近はほとんどしないので、着ていくものがなくて、こちらでは私のサイズでいい服がないので日本に帰ったときに通販で買いました(笑)。ストールはカンボジアいいた友人のおみやげです。Hideyoさんもたまにはちょっとおしゃれしてダンナ様とシアトルの素敵なレストランでもおでかけされたらどうでしょう・・・?