2009年9月2日水曜日

本当のイングリッシュ

いわゆる正真正銘のブリティッシュ・イングリッシュとか、クイーンズ・イングリッシュとは英国内で話されている言語と思っていたのだが、実はそうでないこ とを最近知った。では、どこかの国や地域で昔からの「正統なブリティッシュ・イングリッシュ」が話されているのだろうか・・・?

言語学者によると、それはアメリカ東部のニュー・イングランド地域なのだそうである。そう、世界史で学んだ、メイフラワー号にのった「巡礼の始祖たち(ピルグリム・ ファーザーズ)」が上陸した地である。つまり、200年以上前に移住した英国人の英語がその地域にはそのまま残っているのだ。アメリカは広い大陸なので西の辺境に向うにつれ発音も変わってきているが、マサチューセッツ州地域だけはまだ独立前の当時の美しい古典的(?)なブリティッシュ・アクセントを固持しているそうだ。多分、巡礼団が来てから、時間が止まってしまっているかもしれない。他方、英国内の英語は歴史とともに変化、進化していわゆる昔の伝統的な発音は絶滅しているらしい。

そういえば以前、ニュージーランドの友人がボストンに行ったら、「彼らの英語はバリバリのブリティッシュ・アクセントで驚いたよ!」と言っているのを思い出した。英国人のMon mariも、200年前の英語が残っている唯一の地域はニュー・イングランドであるという意見には同意している。

さらにそれを裏付ける笑い話がある。Mon mariが90年代の初めにアメリカ国内を旅行した。時はイラン・イラク戦争が勃発した頃。彼はコロラドかユタあたりの中西部の国内線空港の待合室にある テレビでそのニュースを見ていた。同じく搭乗を待っていたアメリカ人と戦争の是非に関して あれこれと話を始めたところ、そのアメリカ人からいきなり、「Are you from Boston?」と聞かれ、Mon mariは一瞬絶句した。しばらくして考えたらそう聞く理由が理解できたそうだ。当然だがMon mariは極めて現代的な英国英語を話す。が、ローカルな空港でもあり、相手は自国を出たことのないアメリカ人だったようで(現代の英国アクセントとか聞いたことがない?)、 Mon mariが話す英語はどことなく東部の巡礼英語の響きに似ているので勘違いしてしまったそうだ。

正統なフランス語がどこで話されているかは知らない。でも異なるアクセントがあるのは確か。例えば、カナダ・ケベック州のフランス語はフランス人からすると相当なまっているらしい。フランス人はカナダ人の話し方を真似してからかう。メトロでフランス語を話しているカナダ人がいるとパリジャンはジロジロ見たり、私の知人のフランス人は「聞くとおかしくて」とクスクス笑う。

そういえば、私が大阪に行ったとき、電車の中で関東弁をしゃべったら周囲からジロジロ見られたのを思い出した。同じ言語でもアクセントが異なると、何か特別な目で見てしまう人間の心理は不思議だ。

0 件のコメント: