2010年1月9日土曜日

お酒に飲まれる人、飲まれない人

お酒は気持ちを高揚させ人とのコミュニケーションをスムーズにさせてくれる潤滑油みたいなもの。
でも飲みすぎると色々面倒なことが起こる。

昨日のBBCのニュース。
英国ではアルコール問題が深刻になっている。街には酔いつぶれた人、酔って喧嘩や暴力沙汰が激増し、毎晩警察が酔っ払い対策に追われている。そして健康障害が急増しているそうだ。

お酒の問題が最近増えた理由として、20年前から比較するとお酒の価格がすごく安くなっていること、そして昔は酒屋でしか売ってなかったものが今はスーパーやNews Agentなど雑貨屋の棚にも売られるようになり、いつでもどこでも手に入るからだそうだ。

特に健康に関してはNHS(国家保健サービス)の財政をすごく圧迫している。お酒に関する病気治療や救急出動などにかかる経費が年間27億ポンド(4000億円以上)かかり、この状態が続くとNHSが破綻すると言われている。なので英国政府は真剣にアルコールの問題に着手しようとしている。一番手っ取り早い方法としてはまず、お酒の価格を引き上げることで摂取量を減らすこと。これはたばこと同じで、健康被害をもたらす嗜好品については価格を上げて、インセンティブを抑制させるやり方である。

以前、イギリスのテレビで「どうして我々はこんな醜い酔い方をしている一方で、ワイン王国のフランス人は相当飲んでいるにも拘わらず、お酒に飲まれず、醜態を見せないのか?」という番組が放映されていた。そこでの比較分析では、フランス人はそもそもお酒は酔うためでなく味わうために飲んでいること、そしてお酒を飲むときには必ずきちんとした食事を取る、お酒と食事がセットになることで悪酔いを防止している」ということだった。そう言われると、パリでは酔った人が千鳥足で歩いていたり、吐いたり、喧嘩をしたり、醜態を見せている場面に遭遇することはめったにない。

英国はパブ社会でもあるので日常的にちょっとお酒をひっかけてホロ酔い気分になるのは当たり前。フランスではお酒だけを扱うバーというのはあまりない。お酒は必ずカフェ、ブラッサリー、レストランで飲む。確かに人々は飲み方をわきまえて、お酒に飲まれないように心がけている印象がする。

日本も英国と同じように夜になると街で酩酊した人をよく見るが、これはまた違う文化や習慣かもしれない。日ごろ抑圧されているためか、うっぷん晴らしで飲む人が多いような気がする。公衆道徳の面では問題かもしれないが、お酒により国家の保健システムを圧迫するような問題には直面していないことが唯一の救いである。

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