2010年12月19日日曜日

さらばコルク!

最近、オーストラリアの多くのワインの栓はコルクでなく、金属製のスクリューキャップに変わっている。何故なのか?

歴史的に説明すると、ワインの栓がコルクである理由はもともと「それしかなかった」からなのだそうだ。
ワインだけでなく、油や酢、そのほかの液体物も昔はコルクで栓をしていた。

コルクの匂いが染みた香りのワインに慣れているとやっぱりコルクでなければ、と思う人も多い。でもコルクは不規則な穴が開いているので、虫食いや液漏れでワインを酸化させてしまうこともある。代替品としてプラスティックの合成コルクを使われていることもあるが、完全な密閉は難しいらしい。

スクリュータイプなんてちょっとチープなワインのイメージがあるが、某ワインの専門家によると、実はワインの品質保持には酸素を完全密閉できるスクリューキャップが一番良いのだそうだ。でも、消費者の多くはコルクの方に高級感を感じ、ワインの栓はコルクであるべきと考えている人がほとんどだそうた。またレストランでコルクを開けてもらいその音と匂いをかぐのを楽しみにしている人も多いとか。
一方、自分で間違ってコルクをつぶして開けてしまうとコルクのカスがワインの中に散らばり、大災難になる。

スクリューキャップによる品質保存の実験は30年近くも行われており、品質保存においてまったく問題はないそうで、熟成期間の短いワインは今後着実にスクリュータイプに切り替わっていくようだ。

フランスに比べてオーストラリアでどうしてスクリューがこんなに普及しているのか?それはオーストラリアが環境に配慮し始めたからである。
コルクはコルク樫の樹皮をくり抜いたものでそのほとんどはポルトガルや欧州諸国、地中海地域で採れるが、最近では需要が供給に追い付かず木の成長が間に合わない、そして過剰な収穫によりコルク樫自体への悪影響が世界的に懸念されている。
森林伐採を続ける問題と、またコルクよりスクリューの方が確実な品質保存が期待できるという理由から、オーストラリアのワイン生産者は確実にスクリューキャップに切り替えている。
実際に安いワインだけでなく、数百ドルもするワインもスクリュータイプになっているそうだ。

ということで、これから生産されるオーストラリアのワインはすべてスクリューキャップになっていくだろう。

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