2009年12月26日土曜日

沈思:クリスマス・ローストチキン

昨日は、シングルで家族とクリスマスを過ごせ(さ)ない友人(フランソワ、クレモント、そして写真を撮ってくれたミミ)を招いてクリスマス・ディナーをした。
Mon mari はクリスマスは七面鳥というお国柄の出身なのだが、私が七面鳥が嫌いなのでいつも鶏を買っている。今年もマルシェで大きな鶏を一羽買った。

フランスではクリスマス用として、シャポン(Chapon)鶏というのが売られる。これは去勢したオス鶏で、要は女性化したお肉は柔らかく、ジューシーということで人気がある。サイズも通常の鶏より大きいので、クリスマスなど大人数の食卓にふさわしいお肉とされる。私たちもいつもシャポンを買う。今年買ったのはすごい高くて、約3キロで42ユーロ(5500円くらい)の代物。シャポンは主にフランス、イタリア、中国と、いわゆる食通の国で飼育され、食べられている。イタリアでも必ずクリスマスに出される鶏だ。

一応柔らかいお肉とはわかっていたが、念のため、前の晩にBrining(塩水漬け)して、さらに柔らかさを増そうと試みたが、ローストしている時間にゲストとおしゃべりに夢中になり、予定より長く焼きすぎて少しパサパサしてしまった。失敗!でも翌日食べたら、不思議と脂がのっていて、柔らかくてとてもおいしかった。

シャポンは英語ではケイポン(Capon)と呼ばれて、英国でも売っているが、実は英国内産のケイポンは本物のケイポンではない。いわゆる通常よりも大きい鶏をケイポンと呼んで売っているだけのことらしい。英国ではケイポンの飼育、販売は禁止されているそうだ。理由は、飼育過程で鶏の体の一部を切断するという倫理的問題、そして皮下にホルモン・カプセルを入れてさらに身体を肥満化させるので問題視されているという話もある。米国では一部の地域でケイポンが売っているようで、特に法的制限はないらしい。日本はフランスから直輸入で手に入るようだ。

今までシャポンを何も考えずに食べていたが、確かに去勢するというのも可哀想な話。とはいえ、うちの実家のオス猫たちも去勢したけど、シャポンほどは太っておらず、元気にしている(笑)。
七面鳥はもともと大きい鳥なので大家族向き。でも味としてはやっぱり鶏の方がおいしいのは確か。それで味にこだわりの強いフランスやイタリアは、鶏をちょっと脂っぽく柔らかくし、かつ大家族用サイズにすることを考案した結果、シャポンができたというわけだ。

シャポンもおいしいとは思うけど、やっぱり私は、昔父の故郷の秋田から送られた日本の地鶏(ちょっとひきしまった肉)が好きかな・・・?

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