2009年12月11日金曜日

笑えない本物の恐怖

街は完全にノエルの空気に包まれている。昨年と同様、景気は芳しくないが、少なくとも飾りつけだけは例年の如く華やかである。
我が家もツリーを3年くらい前から飾り始めた。クリスマスという理由もあるが、なにか新たなことをしないと、世紀末状態の部屋を片付けることができないからだ。

街角のスーパーの前には「モミの木」が売り出されている。私も最初は本物の木を買おうか悩んだが、結局はプラスチック製ツリーを購入し、毎年使い回している。

実はこれには理由がある。
1つは、毎年数週間のために木を伐採してまた捨てることに抵抗があること。
2つ目はツリーにまつわる怖ーい話を聞いてしまったこと。

そのこわい話とは・・・

Mon mari の知人が、ある年に大きなモミの木を買って飾った。買うときは上の写真のように白い網で巻かれているので、何とかアパートの部屋まで担いで持っていかれた。クリスマスを楽しみ、正月の七草が過ぎた頃に彼はツリーを片付けはじめた。しかしツリーは巨大で、横に大きく広がっており、もう網に巻いて処分できる状態ではなかった。パリのアパートはエレベーターがない所も多く、あってもすごい狭い。ツリーをまた担いで下までおろすのは不可能とわかった知人はベランダからツリーを落として、それからゴミ捨て場まで運んで行こうとした。しかし巨大なツリーをベランダから落とすのも容易ではなく、ベランダの柵のあたりで必死にあがきもがいているうちに、何と彼自身もツリーと一緒にベランダから落下してしまった。この話を聞いた瞬間、私は大爆笑してしまった。まるでマンガの世界じゃない!と・・・ 
しかし、彼は大怪我をしてしまい、正月早々病院のICUに入院する事態になった。幸いにも彼の部屋は2階か3階くらいの低層階だったので命に別状はなかったそうだが、実際は笑い話ではすまされない結末である。

それ以降、私は本物のツリーを見るとベランダからツリーごと落ちた知人を思い出し、なぜかパリでは絶対に本物は買うまい、と心に誓った。うちは5階なので落ちたら絶対に死ぬ。暖炉もないので焼却もできない。

ということで、我が家のツリーは下のようにかなり人工的な飾りつけになっております(左横のバイクの車輪が限りなく邪魔でイラつくんですが・・・)。

2 件のコメント:

サヨクマ さんのコメント...

素敵なツリーですね!(最後のコメント、実感がこもっていますね…)

いつも、本物のツリーの処分をどうしているのかと疑問に思っていたので、なるほど、と思いました。

ベランダから落とすという方法は日本では思いつかないかも…ツリーと共に落下とは、もう二度とツリーを買おうとは思わないかもしれません。

我が家はおそらくツリーなし、窓辺にモールや電飾を飾ってなんとかクリスマスの雰囲気を楽しんでいます。

フェリン猫姫 さんのコメント...

そうですね、パリでもベランダから落とすという人は少ないと思います。彼のアイデアはおもしろいですが、危険を伴いますね。
この本物のツリーって、結構高いのでよね。大きいのだと90ユーロ近く、よくそんなの買うなぁと思います。
日本は場所も限られるので、小さなツリーセットを買って、テーブルの上に飾っている人もいますよね。
私はツリーなどは子どもの時以来、全然飾ってなかったですが、年末の大掃除の一環として、始めました。「ツリーを飾るから、この辺のもの片付けてよ!」というのが作戦です(笑)。