2009年12月29日火曜日

丸太ケーキ


何故か急に思い立って、クリスマス後にブッシュ・ド・ノエルを作ってしまった。
しかし、馬鹿にしていたロールケーキって意外に作るのが難しい。
家にあった強力粉を使ったせいか、スポンジがふんわりいかない、やはり薄力粉でないとだめか。そしてロールするのも結構な技がいる。練習が必要というのがわかった。
出来上がったのはまあそれなりに丸太に見えるが、スポンジは失敗。そのかわりチョコレートクリームは甘くなくしつこくなく、最高においしい出来になった。
来年はロールケーキの研究を続けて、次のノエルには天下一品のブッシュ・ド・ノエルを作ろう。

2009年12月26日土曜日

沈思:クリスマス・ローストチキン

昨日は、シングルで家族とクリスマスを過ごせ(さ)ない友人(フランソワ、クレモント、そして写真を撮ってくれたミミ)を招いてクリスマス・ディナーをした。
Mon mari はクリスマスは七面鳥というお国柄の出身なのだが、私が七面鳥が嫌いなのでいつも鶏を買っている。今年もマルシェで大きな鶏を一羽買った。

フランスではクリスマス用として、シャポン(Chapon)鶏というのが売られる。これは去勢したオス鶏で、要は女性化したお肉は柔らかく、ジューシーということで人気がある。サイズも通常の鶏より大きいので、クリスマスなど大人数の食卓にふさわしいお肉とされる。私たちもいつもシャポンを買う。今年買ったのはすごい高くて、約3キロで42ユーロ(5500円くらい)の代物。シャポンは主にフランス、イタリア、中国と、いわゆる食通の国で飼育され、食べられている。イタリアでも必ずクリスマスに出される鶏だ。

一応柔らかいお肉とはわかっていたが、念のため、前の晩にBrining(塩水漬け)して、さらに柔らかさを増そうと試みたが、ローストしている時間にゲストとおしゃべりに夢中になり、予定より長く焼きすぎて少しパサパサしてしまった。失敗!でも翌日食べたら、不思議と脂がのっていて、柔らかくてとてもおいしかった。

シャポンは英語ではケイポン(Capon)と呼ばれて、英国でも売っているが、実は英国内産のケイポンは本物のケイポンではない。いわゆる通常よりも大きい鶏をケイポンと呼んで売っているだけのことらしい。英国ではケイポンの飼育、販売は禁止されているそうだ。理由は、飼育過程で鶏の体の一部を切断するという倫理的問題、そして皮下にホルモン・カプセルを入れてさらに身体を肥満化させるので問題視されているという話もある。米国では一部の地域でケイポンが売っているようで、特に法的制限はないらしい。日本はフランスから直輸入で手に入るようだ。

今までシャポンを何も考えずに食べていたが、確かに去勢するというのも可哀想な話。とはいえ、うちの実家のオス猫たちも去勢したけど、シャポンほどは太っておらず、元気にしている(笑)。
七面鳥はもともと大きい鳥なので大家族向き。でも味としてはやっぱり鶏の方がおいしいのは確か。それで味にこだわりの強いフランスやイタリアは、鶏をちょっと脂っぽく柔らかくし、かつ大家族用サイズにすることを考案した結果、シャポンができたというわけだ。

シャポンもおいしいとは思うけど、やっぱり私は、昔父の故郷の秋田から送られた日本の地鶏(ちょっとひきしまった肉)が好きかな・・・?

2009年12月23日水曜日

神の御子は今宵しも

イタリアの盲目テノール歌手、Andrea Bocelli。
今年は何故か彼のクリスマスCDを買った。
David Fosterのプロデュースなので全体的にヨーロッパというより北米風クリスマス音楽のアレンジが漂っている。
一つ驚いたのが5曲目の「Lord’s Player (主の祈り)」の中で、彼はモルモン・タバナクル・合唱団と歌っているのだ。イタリア人なのでカトリックかと思ったが、ひょっとして彼、もしくはDavid Fosterはモルモン教徒?

ちょっと意外な感を抱いたが、まあ歌唱力は素晴らしい。とくに 有名な賛美歌、Adeste Fideles (O Come All Ye Faithful)はローマ・アカデミーの合唱団とともにラテン語で歌っているが、まるでオペラを聴いているかのようなスケールだ。
声を聴いているだけで彼を崇めたくなる。
O come, let us adore Him
........♪♪

2009年12月21日月曜日

「ターミナル」の住民

最近、成田空港のターミナルに、自国への入国を拒否され日本に強制送還された中国人の馮さんという男性が寝泊りしているという記事を読んだ。彼は中国の民主化、人権化に取り組んでいる活動家で、すでに8回も自国への入国を試みているがいづれも拒否されているそうだ。長いこと日本で学び、居住していたので日本政府は滞在許可証を発行すると言っているが、彼は今回はビザ放棄をして入国を拒否している。

ちょっと前にトム・ハンクス主演の「ターミナル」という映画があった。映画の設定では主人公の国がクーデターにより政権崩壊状態になり、彼の持っているパスポートが無効になって空港に住み始めるというストーリーで、馮さんの置かれた立場とはかなり違うが、ターミナルで暮らす苦労は同じである。

「ターミナル」の映画は実在のモデルに基づいて作られた。そのモデルとは、パリのシャルル・ド・ゴール空港に住んでいた、マーハン・カリミ・ナセリさんというイラン人。彼は1988年にパリからロンドンに入国しようとしたがパスポートを紛失し、パリに強制送還された。それ以来ド・ゴール空港に住んでおり、フランス政府から滞在許可を与えられたがずっと入国を拒否していた。

ナセリさんは第一ターミナルの1階の片隅にいて私も何度も見た。最初「この旅行客、何でこんなたくさんの荷物を持っているのかしら」と思ったが、2度目も3度目も同じところに同じ人が荷物に囲まれて座っているのを見てほどなく、彼がここに住んでいることがわかった。私がニコっとわらって「Hello!」というと、彼も手をあげて「Hello!」と返してくれた。「これ食べる?」とMarsバーチョコを差し出すと「Thank you!」といって受け取った。ターミナルに住む彼はこのように旅行客や空港職員の差し入れで生き延びていた。マクドナルドも時間切れになるハンバーガーを彼にあげていたらしい。
最近は彼の姿を見なくなったが、どうも病気でフランスの病院か施設に移されたらしい。20年近くも空港に住み続けた彼の今後の人生がどうなるのかちょっと気になる。

成田の馮さんもどうなっていくのか、このまま数年も成田に住み続けるのか、それとも最終的に日本、もしくは第三国に受け入れられるのか・・・ 
今後、このような難民の人たちが世界のあちこちの空港で住み始めることも珍しくなるなるのかもしれない。

写真はド・ゴール空港にいたナセリさん。

2009年12月18日金曜日

雪と猫こたつ

朝起きたら、パリの外は一面銀世界。この冬初めての雪。
結構、積もった。
寒い寒い、とこの2~3日思っていたが、やっぱり雪の前ぶれだった。

東京と同じ、都市の雪日は災難が多い。交通のマヒ、転倒事故など。都市は過酷な天候に本当に弱い。
Mon mari の職場でも雪になると、「転んで怪我をしたから2週間の病欠を取らせてください」という人が続出するとか・・・。ホントか、と皆疑う人も多いとか。

昨日から風邪気味。こういう寒い雪の日は、日本のこたつが懐かしい。

と思いきや、姉から最高の写真が送ってきた。

写真の子はモモちゃん。
最近、日本では「猫用おこた」というのが流行っているそうだ。猫サイズで、かわいらしい。
人間のこたつは猫にとって熱いのだが、猫用こたつは猫がずっと中に入ってられるようにぬるい温度に設定されているらしい。そして出入りも楽にできるように、真ん中に切れ目がある。テーブルは布でできているが下の天板から熱が通じているので暖かいのか、モモちゃん全く動かない様子。
このこたつ布団もちょっとチープな色合いで笑っちゃうけど、何となく昔のこたつ布団ってこんなんだったなぁ、とを思いして懐かしくなる。
一人でおこたを独占なんて、なんて贅沢な猫でしょう・・・

2009年12月16日水曜日

追加情報:シュトレン


さきほどの、クリスマス・ケーキに関する追加情報です。
夕方、スーパーに行って各国のクリスマス・ケーキが置かれた棚に、ドイツのケーキ「シュトレン」の一口サイズがあったので、買ってきて試食した。ご覧のように白いフルーツケーキ、ちょっと固めだけど、パサパサ感はない。さすがパンの国だけあってなかなか美味。
でもやっぱりパネトーネには負けるかな?

それぞれのクリスマス・ケーキ

日本でクリスマス・ケーキというと、丸いスポンジケーキに生クリームやバタークリームを塗った、いわゆる不二家風のデコレーション・ケーキである。幼いころからクリスマスケーキというものはそういうもので、また万国共通と思っていたが、ヨーロッパに住み始めてそれぞれの国ごとにケーキは違う形と味をしていることを知った。

まず、フランスのクリスマス・ケーキは「ブッシュ・ド・ノエル」と言う。ブッシュ(bûche)とは「木」とか「丸太」というような意味。写真の如く、ケーキを丸太に見せたロールケーキ。お味はピンからキリまであるが、まあ私としては所詮ロールケーキの域から出ない代物。日本でも食べられるようなケーキ。とにかくそこらで買うフランスのケーキは見た目は美しいのだが、ものすごく甘いので、ちょっと苦手。


次に英国のクリスマス・ケーキは「クリスマス・プディング」という。フルーツケーキをブランデーで漬けて熟成させた超リッチな菓子。下の写真は一番小さいサイズだが、大きいものだと陶器に入ってコットンの布に巻かれており、蒸してからいただく。

蒸し終わったあとは、ブランデーをかけ火をつけて青い炎を楽しみ、その後たっぷりとカスタードクリームをかける。
フルーツケーキと思って軽く行けると甘く考えるととんでもない。これがものすごい重くてしつこいのである。食事をした後に、下の写真の分量を食べるのは至難の技。食べ終えた暁には、ほとんど鼻血ブー状態。とにかくイギリスのクリスマス・プディングをもてなされた際は、必ず厚さ2センチ以下に切ってもらうことにしている。


そして、次のケーキはイタリアの「パネトーネ」。一見、パンに見えるが、実際パンなのだ。レーズンやオレンジピール、ドライフルーツが入っている。しかしこの何の変哲もないパンを口にすると、なんとも言えない絶妙な舌触りと奥深い味がするのである。クリスマス・ケーキとしてはアイシング・シュガーをかけて食べる。ミラノ発祥の菓子で、「パネトーネ」とはアントニオという人が作ったパン、という意味らしい。特殊なイースト菌を使っているので、イタリア国外で手に入れて作るのはかなり難しいとか。なので日本ではパティシエは本物のパネトーネは作れないはずなので、多分輸入でしか手に入らないと思う。


これがパネトーネが入った箱。毎年、クリスマス前になるとイタリアの国内線にはこのパネトーネの箱をぶら下げて搭乗するイタリア人で一杯になる。皆、パネトーネをおみやげに「おらが村へ帰るべ」と家族の所に向う。なんとも微笑ましい光景である。

その他、ドイツもフルーツケーキのようなパンの上にアイシング・シュガーをつけた「シュトレン」というのがあるが、こちらのスーパーでみたことはあるものの、まだ食べたことはない。今度挑戦しよう。

「ブッシュ・ド・ノエル」、「クリスマス・プディング」、「パネトーネ」の中で、私はイタリアのパネトーネが一番好きである。この時期はクリスマスが始まる前から、ミニパネトーネを買ってきて、おやつにむしゃむしゃ食べている。

2009年12月11日金曜日

笑えない本物の恐怖

街は完全にノエルの空気に包まれている。昨年と同様、景気は芳しくないが、少なくとも飾りつけだけは例年の如く華やかである。
我が家もツリーを3年くらい前から飾り始めた。クリスマスという理由もあるが、なにか新たなことをしないと、世紀末状態の部屋を片付けることができないからだ。

街角のスーパーの前には「モミの木」が売り出されている。私も最初は本物の木を買おうか悩んだが、結局はプラスチック製ツリーを購入し、毎年使い回している。

実はこれには理由がある。
1つは、毎年数週間のために木を伐採してまた捨てることに抵抗があること。
2つ目はツリーにまつわる怖ーい話を聞いてしまったこと。

そのこわい話とは・・・

Mon mari の知人が、ある年に大きなモミの木を買って飾った。買うときは上の写真のように白い網で巻かれているので、何とかアパートの部屋まで担いで持っていかれた。クリスマスを楽しみ、正月の七草が過ぎた頃に彼はツリーを片付けはじめた。しかしツリーは巨大で、横に大きく広がっており、もう網に巻いて処分できる状態ではなかった。パリのアパートはエレベーターがない所も多く、あってもすごい狭い。ツリーをまた担いで下までおろすのは不可能とわかった知人はベランダからツリーを落として、それからゴミ捨て場まで運んで行こうとした。しかし巨大なツリーをベランダから落とすのも容易ではなく、ベランダの柵のあたりで必死にあがきもがいているうちに、何と彼自身もツリーと一緒にベランダから落下してしまった。この話を聞いた瞬間、私は大爆笑してしまった。まるでマンガの世界じゃない!と・・・ 
しかし、彼は大怪我をしてしまい、正月早々病院のICUに入院する事態になった。幸いにも彼の部屋は2階か3階くらいの低層階だったので命に別状はなかったそうだが、実際は笑い話ではすまされない結末である。

それ以降、私は本物のツリーを見るとベランダからツリーごと落ちた知人を思い出し、なぜかパリでは絶対に本物は買うまい、と心に誓った。うちは5階なので落ちたら絶対に死ぬ。暖炉もないので焼却もできない。

ということで、我が家のツリーは下のようにかなり人工的な飾りつけになっております(左横のバイクの車輪が限りなく邪魔でイラつくんですが・・・)。

2009年12月8日火曜日

中東パワーに買われる英国

先週末はMon mari の仕事のお付き合いでケンブリッジの友人宅を訪ねた。
ケンブリッジは2度ほど来たことがあるが、大学を中心に未だ中世の雰囲気がムンムン漂うところと思っていた。ところが、友人が住むアパートに来たら仰天。町並みに似合わない近代的なビルがドンと建っている。およそ英国人の趣味ではない。
実はこの建物の所有者、何と中東の「カタール王子」なんだそうである。お金がジャブジャブ余って使い道にこまっているのか時々英国にお買い物に来るらしく、たまたまケンブリッジを訪問したらここを気に入ったとかで、地元の不動産Developer に「僕、この土地買うよ」といって、後はご覧の通りの建物ができたとか・・・ 
英国の資産は中東とかロシアの人たちにどんどん買い上げられているそうで、英国人はなんとも複雑な心境だろう。

明るくきれいな玄関ホール。コンシェルジュの女性と、施設管理のおじさまが一生懸命働いていた。使用人は中東系でなく全員白人系英国人。

中庭も広くて整然としているが、何か無機的でキャラクターに欠けている。アメリカのコンドミニアムを思い出させる。

友人は、Mon mari のプロジェクトで、コンサルタントとして手伝ってくれているアンドリュー君。彼はケンブリッジ大学と大学院を卒業した超エリートだが大企業には就職せず、Engineers Without Boarders (国境なき技師たち)というNGOで働いている。途上国への技術移転やエンジニアを育成するためのトレーニングを行なっている。アンドリュー君宅のリビングで二人が締め切り直前の仕事を必死で終えようとしている姿です。

2009年12月3日木曜日

サバット優勝!

今日は、所属している会社(一応今も名前は残しているものの事実上の幽霊社員)の上司と同僚たちと、パリの大衆食堂でランチをした。

同僚のクボタ君はサバット(フランス式ボクシング)のコーチ。
サバットとは靴を履いたK1という感じの格闘技。
その彼の一番弟子の原万里子さんが、このたび、フランスで開催された世界選手権で一位になった。私が手にしているのがは5キロ位はある、すごい重いチャンピオンベルト。
私の目の前に座っている原さんは見たところ可愛い、フツーのお嬢さん。とても格闘技をするタイプには見えない。でも筋肉モリモリ・ガール。
サバットは競技人口も少ないため、大体フランス人が優勝するのだが、今回アジア人では初めて。フランスでもニュースになったそう。なんと、日本のニュースもみつかった。

レストランのボーイや、隣の席の人たちも「オー、素晴らしい!」と感動していた。フランス人は限りなく、この競技を誇りに思っているようだ。

とにかく、原さん、クボタ君、おめでとう。

2009年12月1日火曜日

世界一可愛いネコ

これは世界一可愛いネコと巷で騒がれている動画。
Youtubeではすでに200万回以上のアクセスがあったよう。

この肉球、たまらない・・・
最近、心身ともに凹んでいたので、かなり元気にさせられた。
やっぱりネコが好き!



上の動画が見られない場合は、こちらからどうぞ。