2010年10月3日日曜日

ちょっと観光 その2

イスタンブールの最終日、空港に向かう2時間前に世界遺産に登録されているトプカプ宮殿を見に行った。トプカプは15世紀から19世紀までオスマン帝国の君主が居住した宮殿。

ここで一番、有名なのは「ハレム」と言われる建物。
日本語ではハーレムとも言うが、正式にはハレムと呼ぶのだそうだ。
で、このハレムの起源はここトルコだそうで、原義は「禁じられた場所」という意味。
イスラム社会で、血族以外の男の出入りを厳禁した、婦人専用の住居。
その後、転じて、一人の男性が愛欲の対象として多くの女性を侍らせた場所にも形容されている。
日本の江戸時代でいうと「大奥」。


ハレムの中庭。狭くてうす暗い。この狭いところに第一婦人から第四婦人まで(そして愛妾も?)生涯にわたって閉じ込められていたのかと思うと、さぞストレスの溜まる人生だっただろうな、と悲哀を感じた。

居室も暗くて、幽閉牢のよう。
ハレムには女性と王族の子と黒人宦官のみが入ることが許され、400年間スルタンの愛を得るために凄惨な女同士の戦いが繰り広げられたらしい。
そして、帝国が膨張し安定するに従い、皇子を幽閉する場所にもなって、その部屋は「鳥かご」と呼ばれた。

ハレムには女、子どもと黒人宦官が住み、そのほかの宮殿の空間ではスルタンと側近・白人宦官が暮らしていた。

日本で、ハーレムというとひやかしの対象になる。
たとえばある場所に男性が一人だけで、大勢の女性に囲まれたりすると「おまえ、ハーレムだな」とからかわれたりする。でも本来の実態はそんな甘いものではなかった。

ちなみに、ニューヨークのハーレムはこのイスラムのハレムとはまったく関係ないそうだ。
オランダ移民が「ハールレム」というオランダの都市の名前にちなんでつけた地域名とか。

この居室はハレムではない。スルタンがラマダン明けの晩餐(イフタール)を取る場所。窓からは金角湾の絶景が眺められる。
暗くてじめじめしたハレムの部屋とは雲泥の差である。

ラマンダン明けの部屋から見える金角湾。これを眺めて、スルタンは断食明けを祝ったのか・・・

金角湾をはさんで見える新市街地。向こうはヨーロッパの街、こちらは中世の街という感じ。

金角湾を眺めていた宮殿猫。
すごく小さく、やせていたが、おっぱいが異様に張っていたので、最近、子猫を産んだようだ。
母子の低栄養は動物にも共通している・・・

宮殿を出たところで、おじさんがザクロのジュースを作っていた。
ものすごく栄養価の高い果物で、メタボ対策にはとてもいいとか。
最近、血圧が上がっているので、早速飲んだら新鮮でおいしかった。
パリに戻ったら、自宅で作ろうと決心した。

短い滞在だったが、イスタンブール、とても楽しかった。

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