2010年8月29日日曜日

INAKA Life その2

田舎ではお水は天の恵みに頼っている。雨水が飲料水、生活用水になる。なので水道会社から水道菅を引いたり、水道料金を払う必要はない。
雨水は軟水なので、とてもおいしい。パリのように硬水で石灰石が含まれることがないので、ケトルやコーヒーメーカなどの家電の管理がとても楽だ。

しかし、天の恵みはいつも微笑んでいるとは限らない。今は冬で雨量が多いので、タンクの水は満タンどころか、あふれ出している。調理もシャワーも使い放題に使える。だけれど、夏になると乾燥し、雨量が減るので給水タンクの水の量は減る。夏は節約しながら使わないと乗り越えられない。いよいよ、給水タンクの水がなくなると、水道会社の給水車が水を売りに来るらしい。

我が家には2つの給水タンクがある。双方とも、25,000リットルの水を溜めることができる。左の白い管がついているタンクが屋内に直結し毎日使うタンク。右のタンクは条例上は私たちのタンクでなく、CFA(地方消防局)が使用権を有するタンクである。山火事の多いオーストラリアでは、各戸に必ず、CFA用のタンクを自分たちの費用で1つ備えることが義務付けられている。CFAの判断で使うので必ずしも自分の家の消火だけとは限らない。隣の家や林が燃えていたら、近所の水をかき集めて消火活動を行う。つまりコミュニティの備蓄水ともいえる。
こういう準備体制を見ると、オーストラリアの自然の厳しさを肌で感じる。

上の写真。「オーストラリアでは左側走行をしてください」という立て看板。
うちの前の道路から大通りに出る角の左右に立っている。
今さら何で?こんな田舎にこんな標識が何であるのかすごい不思議だった。
近所の人に聞いたら、数年前に、右側通行のアメリカ、カナダの観光客が逆走して、死者が出る大事故がこの近辺で数回あったので、それ以来、警察が北米観光客向けに注意喚起の標識を立てたそうだ。
確かに北米の人がオーストラリアに来ると、すべての感覚(言語、道路の幅、町並み、家のサイズなど)が似ているので外国にいる感じがせず、つい自分の国にいるような錯覚に陥ってしまうのだろう。
一方、パリで運転するとあまりにも違いすぎて、いつも「外国」を意識し緊張するので、かえって逆走なんていう大事故は起こらないのかもしれない。

楽ちんなオーストラリアにも色々な危険が潜んでいる・・・

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