2009年11月19日木曜日

視野狭窄?

フランスに住んでいると、道や通路を歩くのに苦労する。
例えばスーパーでの買い物。狭い通路で人を横切るのは結構至難の技だ。よく、ど真ん中に立って棚の品物を見ている人がいる。横切ろうとして「失礼、すみません」と言っても、どかない。さらに大きな声で言ってもダメ。そしてほとんど怒鳴り声になっても全く反応なし。この人は聴覚が不自由なのか?と思いきや、仕方ないので相手に当たりながらその場を通過する。そうすると相手は「ああ、ごめん」と言って少しよける。

これは私の独断的な観察分析であるが、フランス人は視野狭窄なのだ。普通、私たちは自分から大体半径1~2メートルくらいの動きや気配は察知できる。向こうから人が近づいていると感じると相手との距離に合わせてこちらの位置を変える。でもフランス人にはそれができない。そして自分の関心事に没頭すると、周囲の声も聞こえなくなる。とにかく、スーパーの棚の前では私はよくイラつく。フランスは自国がCentre of Universe と思っているそうだが、町の空間にいたっても個人個人は世界の中心になリきっているのかと思うほどだ。

イギリスのスーパーに行ったとき、お菓子売り場で母親と子どもが大きな手押しカートをもって、通路の半分以上を占領していた。母親は子どもに色々話しかけながら品定めをしていたが、私が何も言わずに近づくと、母親はこちらを見なくても自然にカートを自分の方に引きながら自分と子どもを少し移動させて、私が通れる空間を作ってくれた。私は思わず「これが普通よね・・・」とつぶやいた。フランスではこういうことがほとんどない。

いつの時か、外国人同士でこの話が持ちあがったことがある。あるオーストラリアの友人は旅行でドイツからフランスにきたら、町にいる人々のマナーの無さに驚いたとか。とにかく道の真ん中に数人の人が話し込んでしまいどかない、「通してください」と言っても相手は無視。聞こえないのか、聞こえてもわざとどかないのかはわからない。「とにかくフランス人って自分の周囲が見えないのよね~」と驚いていた。この話題に一緒にいたアメリカ人の友人の経験では、見えていてもわざとどかない人もいたとか・・・・・「いづれにしてもわたしたちの国の習慣ではあり得ないわよね!」と、皆で盛り上がってしまった。

あともう1つ、Mon mari もよくイカッていることがある。
時々狭い歩道で、Vogueから抜け出したようなファッションで、背が高くハイヒールをカッカッと鳴らす女性に遭遇することがあるそうだが、モデル気分になっている人は狭い道のど真ん中を堂々と歩いて絶対に人をよけないのだそうである。普通は双方が横に寄って譲り合って通るが、ど真ん中をMon mari めがけて1センチも脇に移動することなく向ってくる、その勢いに彼は負けて、女王様のお通りの如く思わず壁に寄り沿い道を開けてあげてしまうのだそうだ。何て傲慢なんだ!とよく彼も怒っているが、ここまで来ると視野狭窄というより、認知機能の問題になるのかもしれない。

いづれにせよ、フランスで通路や歩道を歩くのは、常に忍耐が伴うのである。

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