2009年10月23日金曜日

Mon ami de Gaza


今日は図書館で勉強した後、友達とお茶をした。同じコースで論文を書いている、アティマッド。
私がコースを始めた4年前からの一番の仲良し。離れていても、メールでお互いの近況を伝え合っている。というか私の方がずっと彼女のことが気になって、連絡を途絶えたくなかった。

アティマッドはパレスチナのガザ出身。ジェンダー活動家。ガザの女性百人以上にインタビューして、あの原理主義のハマスとジェンダーの関係という、すごいテーマで論文を書いている。
パレスチナでは、国連や世銀の仕事をばりばりこなしてきた。

政治的に反ハマスを貫いており、夫君もどうもハマス絡みで命を落としたようだが、詳しくは語りたがらない。
イスラムの女性だが、ベールも被らず、いつもラフな格好で、タバコをスパスパ吸っている(お酒もたまに飲む)。こんなにリベラル、というか開放されたイスラム女性と会ったのは初めてである。今年中に論文を終えて、英国でイスラム女性の研究家として大学でリサーチを始めるそうだ。

左は息子のマスジッド君。今年二十歳。
去年から今年にかけての、空前の空爆のときに、一人でガザにいた。アティマッドは仕事でカイロにいた。息子の安否を心配して、何とかガザから脱出できるようにあちこちに手配し、彼も毎日毎日、エジプトとの国境に足を運び、エジプト政府が気まぐれに検問を開けてくれるのを待って、最後は150ドル渡して、トンネルをくぐって自力で脱出したそうだ。国境越えのときにも、ハマスから拷問に近い嫌がらせを受けて、トラウマになっているとか(体型から見るとあまりそんな雰囲気は窺えないのだが・・・)。彼は本当はガザが大好きなので帰りたいのだが、ハマスが怖くて一人では戻れないそうだ。なので、今、難民申請をしている。でも英国政府は色々難癖をつけてなかなか首を立てに振らないため、弁護士を通して頑張って手続きを進めている。

空爆の話はたくさんしてくれた。私も15年前にガザに行ったことがあるのだが、マスジッド君はその頃の光景なんてもうないよ、と苦笑して話してくれた。
皮肉なのは、二人ともイスラエルだけでなく、ハマスとのことで相当深い傷を負ってるのである。

彼らのように、脱出できた人たちはまだ恵まれているが、脱出できず、ガザに留まる以外の選択しかない、パレスチナ難民の人たちのことを思うと心が痛む。

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