2009年10月17日土曜日

未踏の空間

自宅の近くには大きな商店街がある。東京と違い、フランスはシャッター通りというのは皆無だ。スーパーも数件あるのに、個人商店が頑張って商売を続けられているのはすごい。食の都なので、専門店が軒を連ねている。チーズ屋、はちみつ屋、オリーブ屋、フォラグラ屋、と、どこもいつもお客が並んでおり、専門店での買い物を皆さん楽しんでいる。

その中でもうちの近所なのに、私が未だに入れない店がある。いつも興味深く眺めるのだが、入って買う勇気がでない。
1軒目は、「馬肉屋」。上の写真だが、よく見ると看板の上に馬の象がぶら下がっている。
日本でも馬刺しとかあるけど、馬の肉の専門店なんて見たことない。馬の頭とか売っていたら気絶するだろうな、と思いながら恐る恐る、外からのぞいたけど、まあ普通の肉屋という感じ。ちなみに、馬肉のハムなんかもあった。

2つ目は右の写真の店。
「かたつむり屋」
子どもの頃は、「デンデン虫」とかいってよくそこらでみつけた巻貝だ。
あっ、おフランスでは「エスカルゴ」と言うんだったわね。
随分前から、Mon mari と通るたびに、「かたつむり屋か・・・今度、買ってみる・・・?」と言いながら、二人とも何故か入る勇気が出ない。生きているのも死んでいるのも売っている。缶詰に入れられたかたつむり君もいる。味付けも豊富な種類があるようで、これもいつもの如く、知識のない者は、ボー然と何を買っていいのかわからなくなるのが予想できる。そしてかたつむりを買ったら何を添えにして食べるのか、ということを考えるだけでも頭が痛くなる。
ということで、この「かたつむり屋」は数年後、フランスを離れるまでに、記念として一度行っておくだけにしよう、と心に決めた。1894年創業の老舗屋(看板に年号が書いてある)で、巷では有名な店のようだ。

そして最後は、絶対に入らない、というか入る必要がない店だけど、いつも不思議に思っている店。
「窓屋」 (Fenêtre とは窓という意味)
いわゆる「建具屋」なのだが、家の近所に3-4軒はある。なんでこんなに窓屋があるのか、いつも不思議に思いながら通り過ぎる。毎年窓やドアを取り替えるわけでもあるまいし、どこにそんな需要があるのか。でもつぶれないで商売を続けているのを見ると、確実に誰かが必要としているのだろう。東京では建具屋なんてほとんど見なくなったが、フランスの都市ではあちこちに健在だ。

0 件のコメント: