2010年7月17日土曜日

絶対に乗ってはいけない

ロンドンの地下鉄。世界最古というビンテージ物。世界遺産に入る代物かと思いきや、実は世界最低の遺産。
今日、パディントンから4駅目のセントパンクラスに行こうとしたら、直通のサークル、ハマースミスは完全停止。もうこんなことしょっちゅうなので驚きもしなかったが、仕方ないので迂回して乗り継いでいくことにした。
ベーカールー・ラインからビクトリア・ラインに乗ったら走行中に車内アナウンスがあり、信号機の故障でしばらく止まります、といって約15分ほど立ち往生。

ロンドンの地下鉄は冷房がない。古いし換気が無く、いったん止まると窓から風が入らないので車内は40度近くに上昇する。当然、乗客は皆、気分が悪くなる。パリのメトロも相当暑いが、ロンドンはそれを上回る。
私も15分の停車で汗が吹き出てきたが、幸いにも混んでなかったのでなんとかしのげたが、これがラッシュアワーだったら倒れていたかもしれない。

そこで最近、市長が乗客に上の写真のような注意喚起のポスターを車内に貼った。それを訳すと・・・

暑さの中、冷やすようにしましょう(どうやって?)。
・水を持って乗車しましょう。
・体調が良くない時は乗車をしないでください。
・乗車中に気分が悪くなったらすぐ次の駅に降りて係員に知らせてください(駅と駅の間に止まったら降りようがないでしょうが!)。
・車内警報のボタンは押さないでください(笑っちゃうけど、気分が悪くなって押す人がいるのね)。

しかし、皆よく我慢して乗っていると思う。初乗り4ポンド、ちょっと前は800円、今はポンド安で500円ちょっとになったけど、こんなに高い乗車賃を払って、古くて階段だらけの地下道を通り、やっと乗ったら蒸し風呂状態で気分悪くなって倒れたら乗客は丸損もいいところ。子どもや高齢者だったら脱水と熱中症で命を落としてもおかしくない。

さすがに市長も事態を深刻視したようで、今年か来年あたりから漸進的に冷房車の導入を決めたらしい。4ポンドも払っているんだから当然よね。
そしてロンドン・オリンピック前にはこの問題を解決しないと国際的に恥をさらされ、ばつの悪い思いをするだろう。

汗だくになってセント・パンクラスで降り、やっとユーロスターに乗ったら、なんと私のチケットはファースト・クラスだった(自分で予約したが知らなかった)。思わぬアクシデントだが、悲惨な地下鉄乗車のあとだったので、その歓喜は測り知れなかった。
ゆったり大きな椅子で、おいしい夕食とシャンパンが出されて快適にパリまで戻って来られた。

夏のロンドン・メトロには絶対に乗ってはいけない。

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