2010年5月15日土曜日

憂鬱なおでかけ

昨日はMon mari の誕生日だったが、ちょうど彼が関係する学会の会議がパリ市内で行われたのでお祝いはお預けになった。
実は今まで彼のプレゼンを一度も聞いたことがなかった。彼からは「そんなに聞きたくないのか?」と言われ続けてていた。別に聞きたくないわけじゃないけれど、違う分野だし、他の奥さまのように夫の国際会議にいちいち一緒にくっついて行くのはどうも私の性分ではないので避けていた。しかし最近彼がかなりイジケ始めていたので、今回はパリでの開催ということもあり応援方々お供することにした。

この会議はロンドンにある「Institute of Civil Engineer 」によって開催された。欧州と北米の土木工学のエンジニアが集まって、自分たちの専門技術を披露するのだ。原子力発電、核融合技術、TGV(フランスの新幹線)、橋、などなど。。。 私の専門とは違う領域の話は詳しくは理解できないのだが聞いていておもしろかった。驚いたことに、これらのエンジニアは日本の土木工学にもすごい精通しているのだ。たとえば、新幹線のシステムやすべての路線をきちんと説明できるし、青函トンネルや明石海峡の話などをしてくれるのだ。私はへぇ~、知らなかった、と関心しながら聞いていた。土木工学というのは一国だけの技術や知識に留まることなく、新たな技術が開拓されると国境を越えて瞬く間に他の国にも移転するというのを目のあたりにした。一番おもしろかったのは橋の話。南仏にある、世界一の高さを誇る橋について紹介し、橋に人生をかけているフランス人のエンジニアの話はすばらしかった。
一方、Mon mari の話はちょっとレベルが違った。国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成のために途上国に必要な技術やエンジニアをどう普及するか、そしてエンジニアを学ぶ学生が世界的に減少していることからいかにエンジニアを興味深く、おもしろく教え、若者を惹きつけるかが重要な課題であるということだった。なるほど、これは私にもとてもよく理解できた。

そして海外の会議に出ていつも関心するのは、話し手はユーモアをたっぷり含めて、聞き手を笑わせること。日本人だと、ほとんどの人はまじめに英語の原稿を棒読みするだけで、ユーモアやジョークを即興で話すなんていうのは限りなく苦手な芸である。もし日本人がジョークを言っても理解されなかったり、あまり笑いを誘えないことが多い。語学力だけでなく、ユーモアのセンスというのは小さい時から養われた五感の一つのように思える。

会議終了後は、シャンパン・レセプション、そしてディナー。実は今回、これが一番嫌だった。プレゼンは出てもいいけど、ディナーだけは勘弁してほしいとMon mari に懇願したが、私の名前をもう登録したので絶対にダメといわれ、しぶしぶ出た。出たくない理由は・・・着ていく服がないこと。最近の体重増加で、今まで着られたスーツやワンピが全然フィットしないのである。洋服ダンスから服を全部出して、やっと入った1着でディナーテーブルに座る私。あまり機嫌のいい顔でないのは、他の参加者の奥さま方は皆、素敵なフォーマルドレスをお召しになられているのに、私はかなり見劣りがしてしまったからだ。だから嫌だといったのに・・・・

そしてもう一つ嫌だったのが、ダイエット中なのに、リッチなフレンチをフルコースで食べなければならないこと。この瞬間でリバウンドすること確実なのが目に見えてたからである。

でもさすが、パリのホテルのフルコースは絶品だった。イギリスのホテルの結婚式のフルコースより4倍も5倍も見た目も味もすばらしかった。

前菜は黒い石板の上に盛られたサーモン。サワークリームをとスモークサーモンを巻いて、上下にカレーの風味がするペイストリーではさんでいる。発想、見栄え、味とも最高だった。


メインは羊のモモ肉。やわらかくておいしかったが、この瞬間で、「ああ・・・ダイエット生活は終わった」と思った。

チーズ3種のあとのデザートは、巨大マカロンの下にイチゴとチョコレート、そしてアングレーズ・ソースをエレガントに敷いている。もうこの段階では胸焼けがしてきて、大好きなマカロンは半分しか食べられなかった。

多分、このフルコース・ディナーで2000キロカロリー以上は摂取しちゃったな。
明日からまた一汁一菜の生活を再スタートしないといけない・・・

0 件のコメント: