2011年3月26日土曜日

前線の闘士

今回の震災では多くの人々の救援が報道されている。

がれきの中から人々を助けるレシュキューチームは消防や自衛隊の他、海外からの緊急援助隊(緊援隊)。色々な国から救済に来てくれている。
先進国だけでなく今まで日本が救援をしてきた途上国の緊援隊も参加してくれている。
一体、彼らはどんな人たちなのか・・・?

昔、インド洋スマトラ沖の津波関連の仕事をしたときに学んだ。
国際緊急援助隊は各国が有するプロの災害救援チーム。建物から人を救助するレスキューチームと、けがや病気になっている人を治療する医療チームから構成されている。
日本の緊援隊は事務局が国際協力機構(JICA)にあり、隊員は警察、消防、海上保安庁の職員で構成されている。彼らは日常の任務を行うかたわら、非常時になると緊援隊として海外に出動する。そのために災害救済に関する国際的な訓練を受けている。
それを提供しているのが、INSARAG (国際探索・救助助言グループ)。国連によって1991年に設立され、およそ80カ国がメンバーになっている。各国政府やNGOなどの災害探索・救助組織が被災地で効果的に活動できるように様々なルールを作り、救助法のトレーニングを提供し、そして定期的な意見交換を行っている。医療チームは国際赤十字委員会(ICRC)や国際NGOが策定に関与した災害援助に関する最低基準をまとめたスフィア(Sphere)プロジェクトに沿って訓練を受けている。

例えば、日本の緊援隊は以下のような訓練を受けている。

レスキューチーム
1.警察、消防、海上保安庁の隊員100名程度に国内訓練を実施
2.INSARAG海外(地域)セッション 5名参加
3.INSARAGリーダー訓練(ジュネーブ) 2-3名参加
4.INSARAG海外USAR(都市探索・救助)訓練 専門家2名参加

医療チーム
医師、看護師を対象にSphereマニュアルに沿った訓練
1.初級コース(3日間 20時間)
2.中級コース(1日 8時間)

ということになっている。
日本に来て、がれきの山をかき分けて救助している各国の緊援隊の人たちも国際的な基準に沿って知識や訓練を取得し、援助に従事しているのだ。

一方、同じようにこの災害と闘っているのが、原発の冷却システムに関わっている人たち。東電はまさかこんなことが起こるとは考えていなかったので、最悪の事態を想定した復旧訓練やシュミレーションなどしてなかっただろう。

海外では「英雄なる福島の50人」として報道されていが、本当はもっと大勢の人が関わっていると知った。Mon mari は真剣な顔をして「彼らはカミカゼなのか?」と聞いてきた。私は言葉に詰まり答えることができなかった。本当はどんなに危険手当を積まれてもやりたくない仕事だろう。死を覚悟した作業を知るにつれ、身につまされる思いである。

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