2009年8月5日水曜日

グリーン・フィンガーズの悩み

先週末、Mon mari (夫)の親しい同僚の退職送別会に招かれた。場所は同僚の友人が所有するノルマンディーの田舎の週末用ハウス(何と贅沢!)。同僚は勤続30年だが、大げさな送別会はせず、極親しい友人を8人ほど招き、アットホームな宴を開いた。
フランスの田舎の家はいつも外から見るだけで、ホテル以外には訪ねたり招かりしたことはなかった。この家は築150年、天井に何本も古い梁があり、元は農家 だったので屋内には穀物庫まである。歴史の匂いを残しつつ改築に改築を重ね、今は素敵なコテージになっている。フランスの家と言っても家主は英国人なので、目を見張るほと美しいイングリッシュ・ガーデンを作り上げていた。ただ、鑑賞する者の感動とは裏腹に、持ち主にとってこれほどの庭を手入れするのは相当大変なようだ。相手は生き物、毎日面倒見ないとすぐ枯れたり虫がつくので目が離せない。家にいない時は友人や近所の人に世話を頼んでいる。家一面に生い茂っているツタはとても素敵だが葉から甘い汁が出るらしく、たくさんのスズメバチがたかっていて追い払うのに苦労していた。

上の写真の中央に見える高いポプラの木は数年であっという間に伸びてしまい、隣の住人から長すぎて陽がささないから伐採して欲しいと苦情が出たらしい。家主はこの木は自分が越してくる前からあったので責められる筋合いはない、と不満を漏らしながらも、仕方ないので近いうちに庭師によじ登って、チェーンソーで半分くらいに剪定してもらうそうだ。このように庭木が近所との摩擦の火種になることもしばしばとか。庭は本当に手間もお金もかかるので良し悪しね、とため息をついていた。

美しい庭づくりをしている人は、グリーン・フィンガーズと呼ばれ、人々から尊敬の念を受ける。でもその誇りの陰では日常的に多くの苦労や悩みを抱えて、心身の負担になっているの がよくわかった。ちなみに私は幸か不幸か「ブラウン・フィンガーズ」の部類なので、そういう悩みを抱えることはない・・・だろう。
(テーブルの一番奥の女性が送別会の主賓のマリー・ルウ、一番手前の女性が家主のステラ)

0 件のコメント: