2011年5月20日金曜日

トイレになった男

今読んでいる本、Flushed with Pride。「自慢の水洗トイレ」とでも訳すのだろうか。Thomas Crapper (トーマス・クラッパー)という人の自伝と彼のトイレ技術を紹介している。

英語に「Crap(クラップ)」という表現がある。
あまり美しい言葉ではなく、「クソ」とか「ウンチ」というのが元の意味である。
それ以外にも「That's crap」というと、そんなのゴミ、くそくらえ、というような意味になる。

実はCrapという言葉は、水洗トイレを改良したこの「Crapper」氏の苗字から発生したのだそうだ。本人は偉業を成し遂げたのに、彼の名前は後世でとんでもない意味に変身してしまった。あの世で彼はさぞかし嘆き悲しんでいることだろう。

クラッパーはもともとは配管工だった。
昔は、配管工もきちんとスーツを着ていた紳士だったというのは驚きである。ただし、後に彼はThomas Crapper株式会社を設立したたので、ビジネスマンに変わったのかもしれないが。

彼は水洗トイレを発明したと誤解されているようだが、すでに16世紀に水洗トイレは発明されていた。しかし彼はトイレの上に水洗タンクを設置し、紐をひっぱってタンクから水を押し流す技術を開発した。この技術は衛生的な近代トイレの先駆けになり、英国王室へご用達され、世界に普及した。

日本語訳も出版されているので、ご興味のある方はどうぞ。

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