今日は料理の話。
このところの寒さと薄暗さの日々で、突然、オニオングラタンスープが食べたくなった。
家にあるル・クルーゼのミニ・ココットはオニオンスープを入れるにはちょっと小さいので、近くのスーパーで、ひと回り大きくいサイズでオーブンにも入れられるミニ・ココットの偽者版を買ってきた。
リキを入れて時間をかけてスープを作り、最後にバゲットとエメンタール・チーズをのせオーブンへ。チーズがしっかりとろけて最高の味になった。
メイン・ディッシュがどうしても思いつかなかったので、今日はジェイミー君からアイデアをもらい、サーモンといんげんにペストをのせたホイル蒸しを作った。これもなかなかの美味だった。
ジェイミー君とはジェイミー・オリバーのこと。イギリスのカリスマ・シェフ。日本でも結構有名になっている。素材を生かした、シンプルな料理を作ることから、「Naked chef (裸のシェフ)」とも言われている(ヌードで料理をしているという意味ではない)。
彼は単なる料理人というより、料理を通じて人々の食への意識向上をはかり社会を変えていこうとしていることで有名である。
いつか見たテレビの番組では、英国人がスーパーのインスタントや冷凍加工食品しか食べないことを憂慮して、健康的な食べ物を作ろう運動を発起、ある町の工場労働者のところに出向き、彼らに「野菜炒め」を教えていた。最初の数十人のグループがジェイミーから野菜炒めを直接教わり、その教えてもらった人が次の数十人の人に作り方を教え、それをどんどん繰り返し続けていくのだ。最終的には1日で1000人近くの人が野菜炒めの方法を習得するという結果になった。
ある時彼は産科クリニックに赴き、最近の妊婦のほとんどが適切な食生活をしていないため体重増加が著しく、出産時のリスクや合併症が深刻という話を聞いた。その後、彼は妊婦に対して料理教室を開いたりしていた。
最も有名なのは彼のプログラムによる学校給食活動。英国の学校給食はジャンクフードが多く、児童の健康や成長、特に肥満問題があると長いこと指摘されていた。ブレア元首相はジェイミーの考え方を買って、彼を学校給食の献立係りに任命し、いくつかの地域の学校を対象にメニューを全面的に改定した。当初、教師や親は彼の考えに賛成したものの、毎日果物、野菜を中心とした食事に生徒が嫌気をさし、生徒は次第に近くの店からジャンクフードを持ち込むようになった。親たちも彼の献立を「ちょっとやりすぎ、考えはわかるが、たまには生徒が食べたいものを食べさせるのも大切」と反対が出始めた。それでもこの運動は英国全土に広がった。テレビでは連日、英国の貧素な学校給食は自虐的なまでに報道されていた。ちなみに、フランスの学校給食の献立もテレビで紹介されたが、バランスある食材で本当においしそうに調理されており、英国の保護者たちは羨望の目で見ていた。日本の給食なんて見たらもっと驚くかもしれない。
プロパガンダ化した彼の料理人活動に批判する人も多いが、私は基本的に彼のレシピ自体は好きである。日本人が好む「素材の風味を生かした調理」(要は煮すぎたり、焼きすぎたりして元の味がわからなくなる調理をしないという意味)という方法は私は全面的に賛成である。
2 件のコメント:
ここアメリカの一番肥満度が高い町(Huntington, West Virginia)でも活動してみたようでしたが、、、町全体から強固な反発・反感を買ったあげく、最後は涙していました。。。かわいそ、だった。
そうなんですか、彼はアメリカまで
進出したんですね。
まあ、かなりストイックなメニュー
なので、町全体かはわかりませんが、
続けていくうちに生徒がいやになる
のかもしれません。押し付けに思われる
んでしょうね。
まあ言っていることはもっともなんで
すが、継続は難しいんでしょうね。
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