2010年2月13日土曜日

試練の旅

先週末から英国のウェールズの大学に行っていて、今日パリに戻った。
今回の旅は苦しかった。こういうことが起こるのも神様が理由があって私に試練を与えているのだと最初は自分に言い聞かせたが、最後の瞬間、私は呪われていると思った。
その試練というのは、利用した往復の交通機関がすべて予定通りにいかなかったこと。

パリからウェールズへは、自宅-パリ北駅-ロンドン・セントパンクラス/キングスクロス(同じ駅)-パディントン-スゥンジーという行程で、全て地下鉄、列車の旅になる。

今回、パリの出発からすでにつまずいた。家の近くの地下鉄駅からオデオン駅で乗り換えて北駅に行くのだが、現在オデオン駅が改修工事中で通過することが地下鉄に乗ってからわかった(パリは駅が改修中だと全面閉鎖になる)。「どうしよう・・・、オデオンで降りれなかったらどこで乗り換えるのか・・」、と考え始めたらめまいがした。荷物を持って地下道を右往左往したくなかったので、一駅前で降りてタクシーに飛び乗り北駅に向った。

無事北駅に着いて定刻通りにユーロスターは発車したが、1時間半くらい経ってリール駅で突然停車、「ただいま乗客の方に問題が発生したので止まります」といって停止。人身事故ではなかったのでよかったが20分後にやっと出発。リールを出てから海峡トンネルに入ったらまた停止。「ただいま機械点検で停車です」とのアナウンス。「頼むからトンネルから一刻も早く出してくれ」と願うこと15分、やっとのろのろと動き出して、ロンドンのセントパンクラスに40分近く遅れて到着。

それから地下鉄でパディントン駅に行くためにサークル線、ハマースミス線の入り口に行ったら「週末は点検工事のために運休します」との張り紙。通常は東から西へ向けて4駅ほどで着くルートなのだが、この2つの線が止まると、一旦南下してまた北上することになる。東京で言うと、山の手線と地下鉄副都心線が週末全面的に止まり、新宿から渋谷に行く直線ルートがなくなる。なので、新宿から丸の内線で赤坂見附までいき、銀座線に乗り換えて渋谷に行く、という信じがたい迂回をさせられるのである。
何もなければ乗り換えは30分くらいで十分なのだが、こういうことがしょっちゅうなので、私はロンドンでの乗り継ぎにはいつも2時間を取っておく。
ロンドンの地下鉄は初乗り4ポンド(600円)、階段も多いし、荷物もっての移動も大変。世界最低の地下鉄と思う(ウズベキスタンのタシケント市の地下鉄の方がはるかに乗りやすかった)。

さて、無事パディントン駅に到着。スォンジー行きの列車は定刻どおり出発。しかし当初3時間で到着するはずだったのに、ルートが変更されて4時間もかかった。まあとにかく遅れても何とか目的地に着いたので一安心。

そして1週間後の土曜の朝。パリに戻るためにスォンジーを出発。しかし電車が予定通りに来ない。20分ほど遅れてやっと来た。乗車するとほどなく車内アナウンスが流れ、「遅れて申し訳ございませんでした、実は牛が線路に入りこんでしまい、それを撤去するのに時間がかかってしまいました・・・」、乗客は爆笑。私は笑えず、これだから田舎はいやだ・・・と思いながらもとにかく発車したので気持ちは安堵。ところが次の駅、また次の駅ですごい群衆の人たちが乗ってきて列車は超満杯になってしまった。知らなかったのだがこの日はウェールズとスコットランドのラグビー試合が隣町のカーディフで行なわれることになったのだ。あまりの乗客の多さで車両が重くなり、電車は時速20キロ程度しか走れずまたまた遅延。結局、牛とラグビーのおかげでロンドンに1時間遅れて到着。乗り継ぎに今回は2時間半とってあったのでひとまず安心。

そして地下鉄のサークルとハマースミス線入り口に行ったら、また週末点検で全面運休。私は怒りを越して、爆笑してしまった。私の推察では多分、この両線はトラブルが多いので毎日運行すると故障がでる、だから週末は「間引き」をして休息させているのだ。ロンドンの地下鉄は世界一古いので相当ガタが来ているのは確かだ。この分だと、もうあと50年ももたないだろう。とにかく、東西一直線のラインに乗れないので、また南下、北上してセントパンクラスへ。一直線の倍の40分かかった。

無事セントパンクラスに着き、ユーロスターの改札と入管を無事にチェックイン。あと30分くらいで乗車できるわ、とほっと一息して何気なく発着予定のスクリーンを見たら、折り返し電車の遅れにより全ての後続電車も軒並み遅れていると表示が出た。私は16時25分発の電車に乗れる予定だったが、17時10分発に変更、となっていた。グヮーン!!! とその場で絶叫。キャンセルよりはいいのだが、せめて最後の列車だけは予定どおりに乗りたかった。


結局は17時10分でなくて、17時30分、1時間以上の遅れの出発になった。そして最後、この電車に乗れたことだけで全身の力が抜けた。


でももしまた海峡トンネルの中でエンコしたらどうしようと心配したが、なんとか21時に無事パリ北駅に到着。
到着前に、「本日の遅れにより弊社はお詫びとして向こう12ヶ月有効な片道切符をプレゼントいたしますので、またのご乗車をお待ちしております」とアナウンスが流れた。片道といっても、結局はもう片方の帰りの切符を買わせることなので、商魂たくましい。
まあ、でも4月にもう一度ユーロスターに乗る予定なので、その片道はプレゼントしてもらおうっと。

家に戻り、Mon Mari が無事の帰宅を祝ってシャンパンを開けてくれた。
実は今日は私の誕生日と私たちの結婚記念日だったのでした。それにしてもこんな災難に見舞われたアニバーサリーは生涯で初めてだった。

この試練とスリル満点の旅、今後の教訓に確実に生かせる。

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