2010年2月28日日曜日

スポーツ解説

今日で2月は終わり。今月はいつもの月より日数が少ないせいか早く過ぎた感じがする。

オリンピックも終わり・・・
バンクーバーとの時差があるのであまり競技は見なかったが、ミーハーよろしく女子フィギュアはミスしたくなかたので、朝の4時半に起きてライブ観戦した。真央ちゃん、残念だったけど、ヨナちゃんも最高だった。あの彼女のシルキーな動きは、練習や努力だけでなく、生まれ持った体からあふれ出る感性だと思った。残念ながら真央ちゃんにはあれは出せないだろう。

で、スケートだけでなく、サッカーやラグビーなど他のスポーツをテレビで観戦すると、国ごとで解説者のコメントや評価のスタイルがすごい違うことを海外に住んでから知った。多分、これは文化と関係していると思う。

例えば、サッカー試合を、二つのテレビを並べて同時にBBCとTF1(フランスの放送局)でみる。ライブなので同じ映像。当然、解説者は同じ場面で感嘆したり、悲嘆する。が、何故か全体的な観察や表現方法、映像の仕方が違うのである。

フランスの解説者は、選手の容姿や態度についてこと細かく指摘する、「この選手はかっこいい」「マナーが悪い」、など容貌や態度を重視するのがフランス風解説。当然女性選手だと「美人だ」「スタイルがいい」などは常套句。フランス人カメラマンが観客席を映すと必ず「美女」をターゲットにする(美男子、もしくは中年女性などは絶対に撮らない)。

一方、英国の解説者は容姿やマナーなどのコメントはほとんどなし、徹底的に競技の技術的なコメントに終始する。カメラも美女撮りはほとんどなく、おもしろい応援ファッションをしている人たちをターゲットにすることが多い。
同じ欧州の国でもこんなに違うのかと驚く。

で、今度は英国と米国。これもちょっと違う。
米国のNBCなどの解説者はとにかく、ずーっとしゃべりまくっている。米国の文化でもあるのか、お世辞やリップサービスが豊富。キム・ヨナの持ち上げ方はすごい、そこまで言うか、というほどのほめ方。失敗してもいやみや批判はほとんどない。

一方、英国の解説者はずっとしゃべり続けない。結構沈黙の時間がある。ジャンプやスピンなどポイントごとの成否に関する技術的コメントをしたあと「What a performance!」 「Absolutely Marvelous」 とボツっと一言言う。競技が終わるとそれなりの全体感想は言うが、とにかく余分なお世辞はほとんどない。
今回のフィギュアのBBCの解説で一番心にのこった言葉。
安藤美姫のショートプログラムが終わったあとで、「Very detail, but not so exciting (細かい演技だけど、興奮するほどのものではないね)」、と。
何となく英国人的ないやみにも聞こえたが、実際その通りだと思った。こういうクリティークはフランスやアメリカでは恐らくしないだろう。

もっと言葉ができれば、他の国のスポーツ解説も聞きたいな・・・

2010年2月23日火曜日

嬉し恥ずかし


今日、近所のリネンショップで買った、ドアの隙間風防止まくら。
猫好きにはたまらんニャン。

お店のおばさん、私をいくつと思ったのか、

「マドモアゼル、猫がお好きなの?」
「マドモアゼル、これでお部屋が暖かくなるわよ」
「マドモアゼル、25ユーロです」
(内心:ひぇ~、高い!)
「マドモアゼル、カードでお支払いですね」
「マドモアゼル、ありがとうございました」

そして出口まで送りに来て、ドアを開けてくれて
「マドモアゼル、よい一日を」、と。

フランスに来て、マドモアゼルと呼ばれたのは初めてだった。
そんなに幼くみえたのか、アジア人は皆マドモアゼルで統一なのか、それとも25ユーロも払ったので、大リップサービスしてくれたのか・・・
複雑な気分である。

2010年2月20日土曜日

アバン・ギャルドな家電

フランスでは時々不思議な機能や物をを目にする。

例えば我が家のキッチンにあるガス・テーブル。上がコンロで、下がオーブングリルになっている。
このオーブン、開けると下のオーブンはガス、上のグリルの導火線は電気機能になっている。Mon mari は同じ空間の中でガスと電気を並存させるのは見たことがない、と最初、すごい驚いていた。確かにガスならガスで統一するのが普通だと思うが・・・

フランスのエンジニアリングは時々、このようにアングロ・サクソンの国では考えられない不思議な機能があるそうだ。まあ、ある意味、先進的、斬新的な科学技術を持っていると言えるのかもしれない。実際にアングロ方式に対抗するために、大陸用の尺度まで作って、英米以外の世界に普及させちゃったし・・・

で、昨日、家の近所の店の前を通った時、ショーウィンドーにある家電を見てぶったまげてしまった。

ガスコンロ、いや、電磁調理器の下にオーブン、その下に食器洗い機がついているのである。1台三役。日本でもここまでのものは作らないだろう。
ちょっとガラスが反射してるので見えにくいかもしれないが下の写真がその代物。
しかし、上のオーブンや調理器で200度近い電気を使い、その下で数十リットルの水をジャブジャブ流すなんて、感電とかの心配はないのかしら。考えるだけでも怖くなる。さすが、アバン・ギャルドなフランス人の発想。

Mon mari 曰く、パリのアパートのキッチンは狭いので苦肉の策の発想だろう、でも便利なんじゃない、とのコメント。ちなみに英国やオーストラリアではこういうのは売ってないそう。
しかし、私はここまでして食器洗い機を欲しいとは思わない。
買う人の勇気を尊敬してしまう・・・

2010年2月15日月曜日

しょーもない贈り物

先日の誕生日にMon mariがいくつかプレゼントをくれた。その一つがこれ。
一言で表わすと「わら人形」。
別れた恋人を恨んだら、人形についているピンクのマチ針でブチブチと刺すのである。

「何でこんなのくれたのよ、私の昔の恋人にやきもち焼いてんの?」、と聞くと
「いや、そうじゃなくて、もしボクに頭にきたら、針でブチブチ刺して、ストレス解消できるでしょ?」、と。

すごい自虐パロディ!まぁ、ブラック・ユーモアなんだろうけど信じられない、根暗で陰鬱な英国人の典型。

人形には色んなセリフが書いてある。
「あなたがまだ私を愛して、私に戻ってきて欲しいと思っていることを祈ってるわ」
「私の人生に立ち入らないで」
「私の友達と寝ないで」
「私が傷ついたようにあなたも傷つきますように」

すごい・・・
で、笑ちゃったのが、足の下についている白いタグに

「これはおもちゃではありません、アダルト・グッズですので、18歳以上の方のみが使用できます」

と書いてあった。
なんだ、アダルトショップで買ったのか・・・?

2010年2月13日土曜日

試練の旅

先週末から英国のウェールズの大学に行っていて、今日パリに戻った。
今回の旅は苦しかった。こういうことが起こるのも神様が理由があって私に試練を与えているのだと最初は自分に言い聞かせたが、最後の瞬間、私は呪われていると思った。
その試練というのは、利用した往復の交通機関がすべて予定通りにいかなかったこと。

パリからウェールズへは、自宅-パリ北駅-ロンドン・セントパンクラス/キングスクロス(同じ駅)-パディントン-スゥンジーという行程で、全て地下鉄、列車の旅になる。

今回、パリの出発からすでにつまずいた。家の近くの地下鉄駅からオデオン駅で乗り換えて北駅に行くのだが、現在オデオン駅が改修工事中で通過することが地下鉄に乗ってからわかった(パリは駅が改修中だと全面閉鎖になる)。「どうしよう・・・、オデオンで降りれなかったらどこで乗り換えるのか・・」、と考え始めたらめまいがした。荷物を持って地下道を右往左往したくなかったので、一駅前で降りてタクシーに飛び乗り北駅に向った。

無事北駅に着いて定刻通りにユーロスターは発車したが、1時間半くらい経ってリール駅で突然停車、「ただいま乗客の方に問題が発生したので止まります」といって停止。人身事故ではなかったのでよかったが20分後にやっと出発。リールを出てから海峡トンネルに入ったらまた停止。「ただいま機械点検で停車です」とのアナウンス。「頼むからトンネルから一刻も早く出してくれ」と願うこと15分、やっとのろのろと動き出して、ロンドンのセントパンクラスに40分近く遅れて到着。

それから地下鉄でパディントン駅に行くためにサークル線、ハマースミス線の入り口に行ったら「週末は点検工事のために運休します」との張り紙。通常は東から西へ向けて4駅ほどで着くルートなのだが、この2つの線が止まると、一旦南下してまた北上することになる。東京で言うと、山の手線と地下鉄副都心線が週末全面的に止まり、新宿から渋谷に行く直線ルートがなくなる。なので、新宿から丸の内線で赤坂見附までいき、銀座線に乗り換えて渋谷に行く、という信じがたい迂回をさせられるのである。
何もなければ乗り換えは30分くらいで十分なのだが、こういうことがしょっちゅうなので、私はロンドンでの乗り継ぎにはいつも2時間を取っておく。
ロンドンの地下鉄は初乗り4ポンド(600円)、階段も多いし、荷物もっての移動も大変。世界最低の地下鉄と思う(ウズベキスタンのタシケント市の地下鉄の方がはるかに乗りやすかった)。

さて、無事パディントン駅に到着。スォンジー行きの列車は定刻どおり出発。しかし当初3時間で到着するはずだったのに、ルートが変更されて4時間もかかった。まあとにかく遅れても何とか目的地に着いたので一安心。

そして1週間後の土曜の朝。パリに戻るためにスォンジーを出発。しかし電車が予定通りに来ない。20分ほど遅れてやっと来た。乗車するとほどなく車内アナウンスが流れ、「遅れて申し訳ございませんでした、実は牛が線路に入りこんでしまい、それを撤去するのに時間がかかってしまいました・・・」、乗客は爆笑。私は笑えず、これだから田舎はいやだ・・・と思いながらもとにかく発車したので気持ちは安堵。ところが次の駅、また次の駅ですごい群衆の人たちが乗ってきて列車は超満杯になってしまった。知らなかったのだがこの日はウェールズとスコットランドのラグビー試合が隣町のカーディフで行なわれることになったのだ。あまりの乗客の多さで車両が重くなり、電車は時速20キロ程度しか走れずまたまた遅延。結局、牛とラグビーのおかげでロンドンに1時間遅れて到着。乗り継ぎに今回は2時間半とってあったのでひとまず安心。

そして地下鉄のサークルとハマースミス線入り口に行ったら、また週末点検で全面運休。私は怒りを越して、爆笑してしまった。私の推察では多分、この両線はトラブルが多いので毎日運行すると故障がでる、だから週末は「間引き」をして休息させているのだ。ロンドンの地下鉄は世界一古いので相当ガタが来ているのは確かだ。この分だと、もうあと50年ももたないだろう。とにかく、東西一直線のラインに乗れないので、また南下、北上してセントパンクラスへ。一直線の倍の40分かかった。

無事セントパンクラスに着き、ユーロスターの改札と入管を無事にチェックイン。あと30分くらいで乗車できるわ、とほっと一息して何気なく発着予定のスクリーンを見たら、折り返し電車の遅れにより全ての後続電車も軒並み遅れていると表示が出た。私は16時25分発の電車に乗れる予定だったが、17時10分発に変更、となっていた。グヮーン!!! とその場で絶叫。キャンセルよりはいいのだが、せめて最後の列車だけは予定どおりに乗りたかった。


結局は17時10分でなくて、17時30分、1時間以上の遅れの出発になった。そして最後、この電車に乗れたことだけで全身の力が抜けた。


でももしまた海峡トンネルの中でエンコしたらどうしようと心配したが、なんとか21時に無事パリ北駅に到着。
到着前に、「本日の遅れにより弊社はお詫びとして向こう12ヶ月有効な片道切符をプレゼントいたしますので、またのご乗車をお待ちしております」とアナウンスが流れた。片道といっても、結局はもう片方の帰りの切符を買わせることなので、商魂たくましい。
まあ、でも4月にもう一度ユーロスターに乗る予定なので、その片道はプレゼントしてもらおうっと。

家に戻り、Mon Mari が無事の帰宅を祝ってシャンパンを開けてくれた。
実は今日は私の誕生日と私たちの結婚記念日だったのでした。それにしてもこんな災難に見舞われたアニバーサリーは生涯で初めてだった。

この試練とスリル満点の旅、今後の教訓に確実に生かせる。

2010年2月9日火曜日

かばの話

夕飯食べながらテレビを見ていたら、BBCの広告に「かば」が出ていた。思わず、昔、アフリカのザンビアでみた「かば」を思い出した。

ザンベジ川の近くのゲームパークを訪れたときのこと。川には何百頭もの「かば」が泳いでいた。川で泳ぐ姿を見ると、何とも言えず、可愛い目というか、憎めない動物なのである。

私たちは川辺にある、質素だが設備がよく整ったテントの宿に泊まった。電気はないので夜は早く床についた。しばらくすると、外から「ブヒ、ブヒ」という音が連続的に聞こえるようになった。だんだん音が大きくなり怖くなり、テントの隅から外を見たら、なんと「かば」が上陸していた。
友人と「どっ、どうしよう、怖いよ~、テントにかばが入ってきたらどうしよう・・・」といいながらも、何もすることもできず、そのまま硬直状態で目をつぶった。とにかく一晩中「ブヒ、ブヒ」の音がしていた。
翌朝外に出ると、何もなかったかのようにあたりは誰もいなくて、静寂そのものであった。
地元の人によると、夜になると「かば」は川から出て村を徘徊し、時々人や家屋を襲ったりするらしい。
それにしても怖かった・・・ 「かば」に襲われて死んだ、なんてちょっとジョークにもならない。

でも今日見たコマーシャルは本当に可愛いので、思わず動画をダウンロードしてしまった。
水の中ではこんな風に泳ぐなんて知らなかったし、こんな丸い円を描いて泳ぐのかとも思ったが(多分、画像編集されているだろう)、あの「ブヒ、ブヒ」体験は一生忘れられない思い出である。



この動画が見られない場合はこちらからどうぞ。

2010年2月8日月曜日

Exotic Sushi

今、 ウェールズの大学に来ている。
ランチを買いにカフェに行ったら、何と寿司が売っていた。ついにこんなド田舎のキャンパスにも登場するようになったか・・・このエキゾチックな寿司を今ライブラリーで食べている。
味のコメントはしないが、何故かわさびと生姜が入っていないのが残念。

パサパサのサンドイッチやソーセージロールのランチには飽きたので、まぁたまにはいいか・・・

2010年2月5日金曜日

わたしのせいではない

フランス人は何かトラブルがあるとよく、「それは私の責任でない(Ce n'est pas ma responsabilité)」と言う。日本人のように「ひょっとしたら」とか「ふとわが身を振り返る」というのとは程遠い。


先週末から水漏れ対応に奔走している。
パリのアパートの水漏れは年中行事。ビルの中で必ずどこかで水漏れが発生する。私たちにとって水漏れトラブルは今回で3度目である。
昔、イギリスのいくつかのアパートにも住んだが、同じ古い建物でもパリほどの頻度の水漏れは見たことがない。トヨタではないがフランスのパーツか建物の構造的問題があるのか・・・?

先週土曜に、キッチンの横の安っぽいベニヤ板が剥がれ始め、よく見ると湿っぽくなっていた。その壁の後ろには水道管があるので、水漏れを疑い、すぐメーターのドアを開けたら、案の定、上の階から排気口や水道管を伝わってじゃぶじゃぶ漏れていた。

水道管は共有設備なのでさっそく週明けの月曜に管理人のおばさんのところに行き、水漏れ通報した。
おばさんはすぐうちのキッチンに来てくれ「上の家からの漏れね」と言って翌日、配管工を呼んでくれて上の家のパイプが修理された。数時間したら漏れが止まり、パイプエリアは乾燥し始めた。

夜になってお互いの修理代(パイプと壁)の保険請求手続きのために、上の住人の男性がうちに訪ねてきた。Mon mari はいなかったので一人で対応した。最初はこのパイプは共有なので自分の保険で払いたくないと言っていたが、どうも配管工から手前のバルブのあるパイプは個人のもの、後ろの太いのは共有のものと分かれていると説明され、結局彼個人のパイプからの漏れだったので自分の保険でカバーすることに合意した。フランスではこの一連のやりとりは本当に疲れる。お互い、いかに自分が悪くないかということを主張する無実ゲームのようなものだ。

彼は私たちのパイプもいじり、「あれ、このパイプも水で濡れてるよ」と指摘した。よく触ってみると確かに濡れている、でも上からの水滴がまだ残っているかもしれない、と私は言ったが、彼は「君たちも同じように下の住人に漏らしてしまうかもしれないから気をつけたほうがいいよ」と忠告した。多分彼は私たちの方の漏れも疑っただろう。でも私はフランス式にこの漏れと壁の損傷は「私の責任ではない」と主張し通した。事実、上からの漏れがあったのは確かなので・・・。

それからしばらくして自分たちのパイプを観察したが、蛇口を使わないとパイプは乾燥して正常。水を出し始めると、なぜか個人用パイプが濡れ始め、共有パイプも上下に濡れる。明らかにうちの蛇口との関係がある。
Mon mari にこれを言うと、彼はフランス人をさらに凌ぐ勢いで「もしうちの漏れがあるなら、共有パイプの上の部分まで濡れない(水は上に行かずに下にいくという理屈)、だからうちのせいでない、これは漏れでなく単なる結露だ」と強く主張する。彼はエンジニアなので「科学的根拠、一般理論」に基づいて演繹的に説明する。
一方私は社会学者的視点から理屈でなく「観察して現象を見て」何か別の理由があるのではないかと推論し(例えば水圧で水が共有パイプの上にもあがるなど・・・)、帰納的に結論を出して主張する。「科学者はすぐ簡単に既存の理論だけで片付ける」「社会学者は回りくどく、独りよがりの理屈で話をまとめる」と二人の意見はぶつかり、昨日は大喧嘩になってしまった。心配性の私は下の住民から文句が来る前に何とかこちらのパイプを直さないとと思うものの、科学者は自分たちのパイプは壊れてないと言って譲らない。

こまったものだ、水漏れ戦争はまだまだ続く・・・