2011年2月19日土曜日

くじら論争

捕鯨の問題。
先日、日本政府は南極海での調査捕鯨を中止した。
シーシェパードの度重なる妨害で、乗組員の安全を確保するためとのこと。

鯨に関わる論争は止むことがない。
調査捕鯨は合法なのだが、ほとんどの西洋人は日本の捕鯨に対し、野蛮だと怒りをあらわにする。
海外に住み始めた90年の初めから、ことごとく、私も西洋人から責められた。
もちろん、自分の連れ合いも同様。彼の言い分は・・・
「鯨は頭のいい動物だから殺してはいけない」(じゃあ、頭の悪い動物は殺生してもいいのか?)
「日本は調査捕鯨といっても、ほんの少しの切り身をとって調査とし、ほとんどは食用に回している」(多分そうだろうな・・・)
「調査目的というなら、殺さずに調査できる方法をさがせ!」(ごもっとも?)
そういう西洋人もその昔はすごい勢いで捕鯨していたんだけどね・・・

一番いやなのは、私がオーストラリアにいるときに、調査捕鯨船が来ること。
オーストラリアの新聞のトップ記事になり、ニュースでも大々的に報道される。
このときとばかり、日本人憎しとオージーが一斉にバッシングする。
「人んちの海にまで来て、鯨を取るな!!!」と。
オージーの友人からも何となく冷たい視線を感じて、一緒にいるのが辛い。
一方、日本では海外で騒がれているほど鯨関連のニュースは目立たない感じがする。特に、現地での反対運動とかはあまり報道されていないよう。規制しているのかな?

鯨は「日本の食文化」とよく言われているが、マグロのように日常的に普及しているわけではない。
私自身、鯨の肉は小学校の給食以来、口にしたことがない。
給食で食べた鯨の肉は硬くておいしくなく、好きになれなかった。
なので、私の中で鯨肉を食べたいという思いは全くない。
多分、高級料理店などに行けば別格の肉が味わえるのだろうが、そこまでして食べたいとも思えない。

鯨産業で生計を立てている人たちも大勢いるので、単純に捕鯨を中止するのは政治的にできないのだろうけど、でも危険と隣合わせの捕鯨ならやむを得ない。

捕鯨を中止すると、現在の海洋の生態系がくずれて、例えば鯨が食べているいわしが枯渇する、と言う人もいるが、そうなったときはそのとき、また世界は捕鯨を開始するかもしれない。起こってないことを想定して自分たちを正当化してもなかなか、世界には受け入れられないのだろう。

どうでもいいんだけれど、とりあえず南極海での捕鯨が中止になって、私自身が非難轟々の嵐から開放されただけでも随分気持ちが楽になっている。

2 件のコメント:

陽 さんのコメント...

The Cove見ました。もう少しCleverなFictionかと思いましたが、やはり感情・感傷論が前に出ていたのが残念。見た後は、日本人としてなぜか恥ずかしい気分になりますね。。。

フェリン猫姫 さんのコメント...

The Coveは私はまだ見ていません。でもそれに似た、日本でのイルカ捕獲の番組をBBCでやっていたのを見ました。当然、横にいた夫はすごい剣幕でした・・・
確かに目を覆う光景ですが、でもあれを見て日本人全員がイルカを食べると思わないで欲しいと思いました・・・