2010年5月17日月曜日

笑えない芸猫

話題のニュースからひとつ。ビニールキャップをかぶって、お風呂に大人しくつかる猫がネットで人気の的になっているらしい。
まあ、可愛いといえば可愛いが、その一方で、ビニールも一つ間違えば窒息するし、お風呂も浴槽で滑っておぼれてしまうかもしれない。

人間にそのようにおもしろおかしく躾られた猫なのだろうが、やっぱりこういうのは虐待に近い、強制調教されたかわいそうな動物の部類に入るのだと思う。

猫はそもそも砂漠の動物なので、水は大嫌いなはずである。この猫も半分は恐怖心に怯えている顔をしている。
猫好きの私はこういうのはどうも好きになれない。

2010年5月15日土曜日

憂鬱なおでかけ

昨日はMon mari の誕生日だったが、ちょうど彼が関係する学会の会議がパリ市内で行われたのでお祝いはお預けになった。
実は今まで彼のプレゼンを一度も聞いたことがなかった。彼からは「そんなに聞きたくないのか?」と言われ続けてていた。別に聞きたくないわけじゃないけれど、違う分野だし、他の奥さまのように夫の国際会議にいちいち一緒にくっついて行くのはどうも私の性分ではないので避けていた。しかし最近彼がかなりイジケ始めていたので、今回はパリでの開催ということもあり応援方々お供することにした。

この会議はロンドンにある「Institute of Civil Engineer 」によって開催された。欧州と北米の土木工学のエンジニアが集まって、自分たちの専門技術を披露するのだ。原子力発電、核融合技術、TGV(フランスの新幹線)、橋、などなど。。。 私の専門とは違う領域の話は詳しくは理解できないのだが聞いていておもしろかった。驚いたことに、これらのエンジニアは日本の土木工学にもすごい精通しているのだ。たとえば、新幹線のシステムやすべての路線をきちんと説明できるし、青函トンネルや明石海峡の話などをしてくれるのだ。私はへぇ~、知らなかった、と関心しながら聞いていた。土木工学というのは一国だけの技術や知識に留まることなく、新たな技術が開拓されると国境を越えて瞬く間に他の国にも移転するというのを目のあたりにした。一番おもしろかったのは橋の話。南仏にある、世界一の高さを誇る橋について紹介し、橋に人生をかけているフランス人のエンジニアの話はすばらしかった。
一方、Mon mari の話はちょっとレベルが違った。国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成のために途上国に必要な技術やエンジニアをどう普及するか、そしてエンジニアを学ぶ学生が世界的に減少していることからいかにエンジニアを興味深く、おもしろく教え、若者を惹きつけるかが重要な課題であるということだった。なるほど、これは私にもとてもよく理解できた。

そして海外の会議に出ていつも関心するのは、話し手はユーモアをたっぷり含めて、聞き手を笑わせること。日本人だと、ほとんどの人はまじめに英語の原稿を棒読みするだけで、ユーモアやジョークを即興で話すなんていうのは限りなく苦手な芸である。もし日本人がジョークを言っても理解されなかったり、あまり笑いを誘えないことが多い。語学力だけでなく、ユーモアのセンスというのは小さい時から養われた五感の一つのように思える。

会議終了後は、シャンパン・レセプション、そしてディナー。実は今回、これが一番嫌だった。プレゼンは出てもいいけど、ディナーだけは勘弁してほしいとMon mari に懇願したが、私の名前をもう登録したので絶対にダメといわれ、しぶしぶ出た。出たくない理由は・・・着ていく服がないこと。最近の体重増加で、今まで着られたスーツやワンピが全然フィットしないのである。洋服ダンスから服を全部出して、やっと入った1着でディナーテーブルに座る私。あまり機嫌のいい顔でないのは、他の参加者の奥さま方は皆、素敵なフォーマルドレスをお召しになられているのに、私はかなり見劣りがしてしまったからだ。だから嫌だといったのに・・・・

そしてもう一つ嫌だったのが、ダイエット中なのに、リッチなフレンチをフルコースで食べなければならないこと。この瞬間でリバウンドすること確実なのが目に見えてたからである。

でもさすが、パリのホテルのフルコースは絶品だった。イギリスのホテルの結婚式のフルコースより4倍も5倍も見た目も味もすばらしかった。

前菜は黒い石板の上に盛られたサーモン。サワークリームをとスモークサーモンを巻いて、上下にカレーの風味がするペイストリーではさんでいる。発想、見栄え、味とも最高だった。


メインは羊のモモ肉。やわらかくておいしかったが、この瞬間で、「ああ・・・ダイエット生活は終わった」と思った。

チーズ3種のあとのデザートは、巨大マカロンの下にイチゴとチョコレート、そしてアングレーズ・ソースをエレガントに敷いている。もうこの段階では胸焼けがしてきて、大好きなマカロンは半分しか食べられなかった。

多分、このフルコース・ディナーで2000キロカロリー以上は摂取しちゃったな。
明日からまた一汁一菜の生活を再スタートしないといけない・・・

2010年5月13日木曜日

政治風刺

英国のガーディアン紙にSteve Bell という政治風刺を描く有名な4コマ漫画家がいる。
この人は、政治家の容姿の特徴や、時宜を得た滑稽な言動を的確に描写しているので私は大好きだ。歴代の首相や大統領、特にブレア、ブラウン首相、ブッシュ大統領など本当に笑える姿をしており話題も次から次と豊富に描かれていた。時々、エリザベス女王まで登場なさる。

英国の総選挙で保守党と自民党の連立政権が樹立され、キャメロン首相とクレッグ副首相が誕生した。
Steve Bell は選挙中からこの二人にスポットあてて頻繁に彼らを描いてきた。
特にキャメロン首相の姿は抱腹絶笑する。

キャメロン首相は43歳だが、なぜか顔がとてもツルツルしていてほとんどシワがない、というか目立たない(一説にはボトックスを使用しているとまで言われている)。漫画家はこのような特徴の顔はとても描きづらいのだそうだ。

あまりに張りとつやがある顔なので、それを強調するためか、キャメロンは赤ら顔で頭にコンドームをかぶされてしまっている。なぜコンドームなのかはSteve Bell にしか理由はわからないので、読者がそのわけを個々人で想像するしかないのである。ネットでも何故コンドームをつけているか多いに話題になっているが、ベストアンサーに「キャメロンの頭が男性器の形に似ているから」というのが選ばれているのには私も苦笑してしまった。

日本では政治家や皇室関係の人たちをこのような風刺漫画でからかい描くことなんて絶対にありえない。もし鳩山首相がコンドームを被っている漫画が朝日新聞などに毎日連載されたら、新聞社は恐ろしい政治圧力に遭い、社長以下、責任者が辞職に追い込まれるだろう。

英国では政治や社会の頂点に立つ人でもひやかしの対象になり、このような悪意のないジョークは広く受け入れられている。描かれている本人も特になにも反応はしない。それが社会に根付いたGSOH (Great Sense Of Humor)だからなのだろう。このようなおもしろおかしな風刺漫画が政治への関心や興味を高めることもあるし、また政治への強いメッセージにもなるのだと思う。

今後数年間、コンドームをつけたキャメロン首相が登場するSteve Bell の漫画を見るのは楽しみだが、一方で本物の彼をテレビで見るたびに、漫画の姿と重なって笑いが止まらなくなる自分の姿が容易に想像できる。

2010年5月12日水曜日

この頃の努力


論文書きの生活は机に向かう時間が長く、運動もせず間食ばかりして、昼夜逆転の日々になってしまった。結果的に去年の秋から体重が4-5キロ増えて、胃腸障害も頻繁に起きた。

ということで、今はエクササイズの毎日。
アパートのベランダにある「ローイング・マシン(ボート漕ぎマシン)」で筋トレを行っている。
そして雨が降らなければ、毎日5キロ以上のウォーキングをしながら、パリ散策を楽しむ。夜はヨガ、整体体操などに勤しむ。

さらに食事はなるべく蒸し料理にし、脂を落とす調理法でカロリーを減らす努力をして、甘いものは1日1回と決めた(これが一番辛いけど)。

昨晩は 手をかけて蒸しロールチキンを作った。蒸すと肉汁、脂が落ちるのでカロリーが減るそうである。
これから夏まではこのようなダイエット生活が続く。
勉強という理由で体作りを怠けてきた代償はあまりにも大きい・・・

2010年5月2日日曜日

万国旗から鯉のぼりへ

毎日のウォーキングは、パリの街を通してフランスの文化とか歴史を学ぶ目的にしているものの、実際には、あちこちでぶつかるおもしろい光景や出来事の方に目が行ってしまう。

たとえば、今、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のビルには、鯉のぼりがあげられている。ここには通常、万国旗が飾られている。ユネスコの加盟国は190カ国以上あるが、今は190匹もの鯉が泳いでいる。こんな大量な鯉を日本でも見たことがない。この案は松浦前事務局長の勅命だったのだろうか。文化をこよなく愛する人で有名だったが、それにしても加盟国の全国旗が鯉のぼりになるとはおそれいった・・・ 
でもほとんどのユネスコ職員はこの鯉が何を意味しているのか知らないだろう。Mon mari も当然知らなかったので、説明してあげた。

そしてエッフェル塔の前のシャン・ド・マルス公園まで歩いていくと、群集が見えてその中に6-7組の花嫁、花婿がいた。え~、統一教会の合同結婚式かしら?と近づいてみると、どうも中国人街のグループで、今日が中国の吉日なのか、たまたまこのカップルたちが一緒に結婚式の写真を撮りにエッフェル塔まで来たらしい。リムジンのストレッチカーが3-4台横付けされて、ヌーボーリッチそのもの。とにかく中国人パワーはパリでもすごいと思った。

さらに河沿いに進んでいくと、ロシアナンバーのベンツがあったり(何でロシアの車がここに来れるのか、摩訶不思議、きわめて怪しい!)、サッカーのフーリガン集団に遭遇して、その傍らで警官が誘涙銃を持って立っていたり、とにかく、パリの散歩はおもしろい出来事があちこちで見られることが醍醐味である。

2010年4月30日金曜日

お茶の話

このところパリは毎日夏日。タンクトップやTシャツで歩く人が増えている。出不精の私も半袖で毎日ウォーキングをしている。
昨日は何故か急にマカロンが食べたくなって、サンジェルマンまで歩いて「ラデュレ(Ladurée)」に行った。ラデュレはパリでマカロンを販売した最初の老舗店。中にはティールームがある。歩きつかれたので、一休みしてお茶をした。

フランスは基本的にコーヒーの文化なので、紅茶は英国ほど普及していない。街のカフェで紅茶を頼もうなら、最低と思える味のぬるいお茶がカップ一杯のみで3ユーロもする。英国で頼むと、香り高いお茶がティーポットで出て来て2-3杯は飲めて2ポンドほど。フランス人の友人に言わせると、「フランスのお茶というのは存在しない」とのこと。つまり自分の国で葉茶は採れないので自分たちのお茶ではない、という意味なのだろう。それを言えば、英国も同じ。でも今でも紅茶貿易の取引量は英国が世界一といわれる限り、フランスは日常的にお茶を飲む社会ではないのだ。

だが、フランスにはサロン・ド・テ(Salon de thé )」というティーハウスが街角のあちこちにあり、ケーキと一緒にアフタヌーン・ティーを楽しむ文化はある。フランスにお茶が最初に取り入れられたのが、16世紀から17世紀頃、マリアージュ家によって17世紀半ばに商品化された。「マリアージュ・フレール(Mariage Frères)」は東京にもある有名な紅茶店である。マリアージュは結婚とか、組み合わせという意味、フレールは香りという意味、つまり香りを組み合わせた紅茶ということになる。文字通り、マリアージュの紅茶のほとんどはミックスーフレーバー・ティである。

特に「マルコ・ポーロ」というお茶は一番人気だとか。独特な香りを放つので、フランス人はミルクは入れず、そのままストレートに飲む人が多い。さすが、香水を発達させた国だけに、紅茶も香水に負けず、バラエティ豊富である。

Mon mari に一度、マルコポーロを飲ませたら、散々の悪評だった。「何だ、このにおいは?紅茶にこんなにおいを入れるのは邪道だ!」と言い放った。基本的に彼はフランスでブレンドされた紅茶は好きでない。確かに時々飲むのはいいが、この香りの強さは毎日飲む紅茶ではないな、と私も思う。せいぜい、アールグレイくらいの香りなら毎日飲める。私の姉はマリアージュのような香りの強い紅茶は熱くして飲むとしつこいが、アイスティーにすると飲みやすいと言っていた。日本人なら、やはりスタンダードなブレックファースト、アッサム、ダージリン、アールグレイくらいが程よい香りだと思う。自分たちの好みの香りや飲み方の違いは確かにある。いつか、英国人が日本の緑茶にミルクを入れているのを見たら、思わず「なんて悪趣味、気持ち悪いのでやめて!」と叫びたくなったほどである。

お茶は中国、インド、スリランカ産が有名だが、インドとパキスタンの友人に言わせると、実はケニアのお茶が一番おいしいそうだ。 ナイロビに行ったとき、彼らがお茶を大量購入していたのには驚いた。私も試しにケニア茶を買って、スリランカなどのお茶と比較したら、確かにケニア茶は濃くや深みがちょっと違い、おいしい気がした。Mon mari もケニア茶は好きである。

紅茶の歴史は文化は奥深い。東インド会社、ボストン茶会事件など、歴史にも大きな影響を与えた。紅茶が何故そんなに重要なのか・・・?
Mon mari によると、昔、英国では嗜好品的飲み物はビールしかなかったそうだ。ところが15-16世紀頃から東方貿易が進み、中国やインドから紅茶がもたらされて、貴族をはじめとして人々がお茶の味に魅了され、その後老若男女問わず、大衆的な嗜好飲料になり日用必需品になった。そして、紅茶にお砂糖を入れる習慣ができたことから砂糖貿易も重要な産業になったそうだ。実におもしろい。もう少し、紅茶の歴史を詳しく勉強してみたくなった。

話は戻るが、結局、ラデュレではフランス紅茶でなく、いつも飲むアールグレイを頼み、マカロン4つを食べた。おみやげにマカロンを6つほど買って帰ってきた。さすがマカロンに関してはフランスに敵う国はないだろう。

2010年4月27日火曜日

バカな私

何故か急に童心に返り、「観覧車」に乗りたくなった。
15分待って、ワクワク、ドキドキ、「わーい、マンチェスターが一望できるな~」と、脳天気になり、喜び勇んでカプセルに飛び乗った。

しばらくしたら急に気分が悪くなった・・・ なんで?
ふと我に返り、自分が「高所恐怖症」であることを思い出した。
「あ~、私のバカ、バカ !!!」と叫んでも時すでに遅し。観覧車なんて一番最悪なシチュエーション。
それ以降は地獄の15分間。途中で後続の客を乗せるために、一時停止したが、私のカプセルは運悪く、一番てっぺんで5分くらい止まってしまった。おまけに風があったため、カプセルはゆらゆらとぶらんこのように揺れ恐怖感は倍増。景色を鑑賞するなんて全くできなかったが、一応記念に下を見ないでシャッターを切ったのが下の写真。

昔は高所恐怖症ではなかった。子どものころ、東京タワーとか、新宿の高層ビルとか行って、景色を楽しんだものだ。だが、13年前にバルセロナのサグラダ・ファミリアに行った時、あいにくエレベーターが故障していて、尖塔の上まで階段で行くしかなかった。階段は狭く無事に上まで行ったのはよかったのだが、降りる際に窓から見える景色と、螺旋階段の下を見たら急に恐怖心が沸き、気分が悪くなり、自分が落ちていく感覚に襲われた。それ以来、高所恐怖症になってしまった。
それまで高い所の恐怖心なんて自分に縁もないことで、信じられなかったが、「○○恐怖症」というのは生来のものでなく、あるときの体験でいきなりそうなってしまうことがわかった。

ということで、どんなに素敵なところであっても、東京にあるような高層マンションは絶対に住めないことは確かである。たぶん、高層マンションの人の家に訪ねていくことも難しいだろう。