2009年7月26日日曜日

オリンピックの光と影

今朝BBCで、Olympic Evictionに関する特集を観た。
「2012年ロンドン・オリンピックに伴う強制立ち退き」、大規模イベントに付き物の問題だが、ロンドンのことはまだ海外ではあまり知られてない。が、かなり深刻らしい。北京オリンピック程の大量立ち退きではないようだが、ロンドン東部の一角に選手村などの関連施設を建設するために、そこに居住する500人近くの住民と、200もの会社や工場は1ヶ月以内に立ち退きを命じられてい る。ロンドン市東部はアフリカ系やアジア系などのマイノリティが多く住む地域で、ある区域に入ると突然目の前にリトル・インディア、リトル・アフリカが現われ、しばらくロンドンにいることを忘れてしまうほどである。スラム開発を経験した者として断言できるのは、どの国でもEvictionの対象になるのは いつも社会の底辺にいる人々だ。

ロンドン開発局 (London Development Agency: LDA) は、住民や事業主と交渉を継続しているが、難航状態となっている。通常Evictionは、立ち退きそのものより、立ち退き後の安定した生計や住環境を保証できないことが大きな問題となる。ロンドンの地価は世界一高く、普通の労働者が手ごろな価格の住居を手に入れるのは至難の技である。住民たちはLDAから補償金をもらっても市内に住居を購入できないので、必然的にロンドン郊外、もしくは地方に移転しなければならない。あらたな就職や子どもの養育など、生活環境に大きな変化が予想されるため、当然多くの住民は拒否している。また零細企業の事業主は、移転には想定以上のコストがかかるため立ち退きは不可能と主張している。

2016年には東京オリンピックを招致する計画が進んでいるようだが、似たような問題は浮上していないのだろうか?埋立地だから特に住民とのトラブルはないのだろうか。例えば、築地卸売市場移転は施設の老朽化というお題目的理由はあるが、実はオリンピックのプレスセンターを設けるための手段とも聞いた。それを考えると築地の移転もオリンピックに関連した政治的Evictionの一つと言えるだろう。
4000億円もかけて、東京オリンピックをする意味はどこにあるのだろうか?公共工事や興行で短期的な収入はあっても、2週間の祭りが終わった後で建物以外に何が残るのか。長期的な生活の豊かさにつながるとは考えにくい。

オリンピックの陰で抑圧されている人々を考えると、単純に歓喜して観戦はできなくなりそうである。

4 件のコメント:

shushu さんのコメント...

ども、shushuです(実名出すのもアレなんで・・・)
職場から、コメント1号を書かせてもらいます。

ブログ開設おめでとうございます。
たぶん今はやる気に満ちあふれてると思いますが、最初から毎日更新しようとするとネタ集めのプレッシャーにだんだん疲れてくるので、適度にがんばってください。

そういえば昨日はLe Tour de Franceの最終日でしたね。
BSの生中継を見ていたのですが、パリを疾走してるラストステージ、圧巻でした。
街は盛り上がってましたか?

月曜で憂鬱ですが、あと3週間で夏休みなので、がんばります・・・

フェリン猫姫 さんのコメント...

Shushu, コメントありがとう。ほんと、最初は皆、張り切っているけど段々、更新の頻度が少なくなるよね。オープン記念に週末のサービスでした。今週は忙しいので、すこしブレークです。
Le Tour de France、今回は見に行きませんでした。数年前にアームストロングが勝った時に凱旋門にいったけど、人が多すぎて疲れました。昨日はエッフェル塔近辺をサイクリングしてました。夏休みまで仕事頑張ってね。フェリン

ayacat さんのコメント...

ブログ開設おめでとうございます。
我が家のわがまま娘は夏バテ状態。
吐いたりしながらも食欲だけは旺盛です。
食べた後はぐったりのびています。
今日のディナーはカリカリ2種、ハム、カニかま、福砂屋のカステラ、アイスクリーム。
これじゃメタボまっしぐら。
楽しみにしています。

フェリン猫姫 さんのコメント...

Ayacatさま ありがとうございます。
暑い夏にもかかわらず、お嬢様も益々食欲旺盛でお元気とのこと、安心しました。猫三昧の生活、羨ましいです。くれぐれもお嬢様によろしくお伝えください。